クメール土着料理
ふつうのカンボジア人が食っているものを調べてレポート。元々あまり興味が無いので投げやり。1996年度の調査です。
当時はカンボジア語も全くわからず、いま見返すと沢山間違えているような気がしますが、歴史的な意味もこめて、あえて再収録。
ソムローマトゥーユン
ベトナム風の薄味スープ。具はパイナップル・白身魚など。ちょっと酸っぱい味付けでなかなかイケます。ゴボウのヤセたような繊維質だらけの野菜も入っていて、便秘にも良さそうです。さっぱりしたスープが食べたいときはお勧め。総合評価は★★★★
チャースパイ
塩っぽい味付けの高菜とブタ肉のブツ切りを炒めたもの。塩がききすぎているような雰囲気。ご飯のおかずにはいいけど、健康には悪そう。総合評価は★★★
タライコー
小さめの魚を唐辛子を混ぜた醤油で煮込んだもの。骨も食えるが、フニャフニャになっているわけではないので油断してると口の中を怪我する。味は唐辛子が効いて食欲をそそる。かなり濃い味。健康に悪そう。総合評価は★★★
チュナンダイ
旅行者の間で、俗にアジアスープ(店の名前)とか呼ばれているもの。カンボジア人が良く食べにいく料理のひとつ。ガスコンロの上に使い古された土鍋を置き、それに臓物やダシの入ったスープを入れ、好みの具を入れて煮込んで食べる。最後はスープに麺を入れてシメる。時々脳みそが入ってることがあるけど、牛じゃないよね……? 総合評価は★★★★
チャームノア
パイナップルと豚肉を炒めたもの。バイナップルから甘みがシミ出して肉は柔らかく。パイナップル自体は酸味がほどよく抑えられ、丁度良い感じ。でも、パイナップルが嫌いな人は食えませんね。これ。総合評価は★★★
チャータウフーレーチィアム
ブタの血と豆腐を、もやしやニラと一緒に炒めたもの。味付けは薄め。豆腐がカンボジアの高野豆腐だと普通の日本人はちょっと食えないが、スーパーなどで売っているパックの豆腐だと結構いけます。中華料理ですね。血を固めたものが食えない人はやめときましょう。総合評価は★★★★
スガオスパイトライチィアン
一度素揚げした魚を、青梗菜と煮たスープ。あっさりしていて胃が疲れているときは良さそう。総合評価は★★★
チャートゥロコォン
シコシコした歯触りの空芯菜(トゥロコン)に、挽き肉と納豆をお好みであえて炒めたもの。納豆はネバネバしておらず、少し甘塩辛い味がついているもの。要は空芯菜炒め。ご飯のおかずにかなりいけます。総合評価は★★★★
チャークロウポンティア
アヒルの卵(ポンティア)とブタ肉、キュウリ等を刻んで炒めたもの。卵をやわらかめにして仕上げると、口あたりがまろやかでイケます。味は甘め。総合評価は★★★★
ソムローマーチャークダァム
干し海老(風味がきつい)、わけぎ、骨の多い魚を煮込んだ、あまり美味しくないスープ。日本人の口には合わないかな。お試しあれ……。総合評価は★
スガオプロハッスパイクマウ
魚のつみれと青梗菜を、コショウをきかせたあっさりスープで煮込んだもの。コショウがキツくてちょっと厳しい。総合評価は★★
スガオマレア
苦瓜の中をくり抜き、ブタ挽き肉にビーフンや乾し海老をまぜた具を入れて煮た、さっぱり味のスープ。慣れないと食べづらいが、慣れるとサッパリしていて美味しく感じる……らしい。私はあんまり好きじゃない。総合評価は★★★
ソムローマチュースラックスナンサイコー
長い名前のグリーンカレー。辛味は無く、野菜はすべてドロドロに溶けてます。そのなかに牛肉だけが延々浮かんでいるといった雰囲気。アクが強い味ではないです。ドロドロ野菜スープ、巨大牛肉入りって感じでしょうか。総合評価は★★★
チャートロソ
シンプルなキュウリと豚肉の炒めもの。これも甘みが強い。熱したキュウリがキライじゃなければ全然オーケー。総合評価は★★★
タライチィアン
得体の知れない塩漬けした魚を、骨まで食べられるようにカラカラに揚げたもの。これ一匹でご飯二膳三膳は軽くいけますが、もちろん健康には超悪そう。太く短くな私の総合評価は★★★★
キンクアッ
カエルの皮をひんむいてカリカリに揚げたもの。骨はあるが、鳥肉のような臭いと味。田舎では酒のつまみに良く出すそうで、農村部の女の子は割と平気な顔をして食べます。
チャーソンダェバァラーン
インゲンと豚肉を甘く炒めたもの。インゲンが少々パサついているので、見た目よりも汁っ気があまり無く、食いづらい。総合評価は★★
チェンチュアン
塩味の揚げ魚に生姜と納豆をあえて炒めたもの。日本人には生姜がちょっときついかも。味は非常に濃いが美味しいです。酒のつまみ向き。総合評価は★★★
ボーボーサッチュルッ
市場などで売られているブタ肉入りもやしおかゆ。ブタの血を固めたもの、レバー、そのほか色々な具が入って、味付け納豆の付け合わせと食べる。カロリーは高いが味も良い。朝飯の定番。総合評価は★★★★
スガオチュルァッモアン
骨つきの地鶏を、レモングラスの入ったうす味スープで煮たもの。野菜はほんの少し。そのぶん鳥肉の味がよくわかる。あっさりしていて美味しいです。総合評価は★★★★★
ソムローチャプチャイ
白濁スープに、人参、キャベツ、乾燥ブタの皮、骨つきブタ肉、椎茸などを入れたスープ。ブタの皮は干物状のものを戻して使う。見た目は超しつこそうだが非常にあっさりしていて美味しい。野菜も多く、カンボジア料理の中ではバランスとれてる方かも。総合評価は★★★★
チャーペインポァッサッチュルッ
ブタ肉とトマトを甘味で炒め、最後にパクチーをパラパラと振りかけたもの。味は濃い目だが、トマトのお陰でそれほどしつこさを感じない。総合評価は★★★
チャーボンキアサンダイクウァ
いんげんと豚肉と小エビをサッと炒めたもの。味は甘め。総合評価は★★★
チャーカッナー
インスタントラーメンを無理矢理焼きソバ風に調理したもの。上に乗っかっているタマゴは半熟にしたもので、野菜も沢山入って日本人には食べやすい。受験勉強に。総合評価は★★★★
スガオトロラァー
瓜の角切りと白身魚を煮込んだスープ。コショウが効きすぎてちょっと辛かった。さっぱり目で二日酔いの日には丁度いいかも……。総合評価は★★★
以上。ちょっと甘めに採点してます。尚、どちらかというと日常食中心です。
(文・クーロン黒沢)