バンコクでラジコン巡礼をしてみた
朝焼けの中、タメルのネパール航空オフィス前でバスを待つ。指定された場所には毛唐が二人立っていただけ「案外すいてるな」と思ってたら、後から腐るほどやってきた。
しばらくすると昨日の日本人グループも来て、この人たちがまた、インド人家族も真っ青になるほど荷物が多い。最年長のオヤジは、死体でも入ってるんじゃねえかってほどの、一メートル四方の巨大なダンボール箱をバスに積もうとしている‥‥。
昨日はこん棒だったが、今日のバスにはショットガンとライフルを持った機動隊が同乗していた。それでも運賃75ルピー徴収されて、30分で空港到着。一番早いバスに乗ったはずなのに、開店前の空港にはすでに百名近い行列ができていた。こいつら徹夜で待ってたのかな‥‥。
さらに20分ほど待つと空港が開き、しずしずと行列が進む。ボディチェックでタマを握られたりしたがそれは置いといて、本当に便所臭い飛行機に乗ってバンコク到着。
空港から乗ったタクシーの運転手は、メガネをかけたのび太君といった雰囲気。「ノーブロブレム」とインド人みたいな台詞を10秒置きに叫ぶ変な奴。そんで高速乗った瞬間にタイヤがパンクして、メーター倒したままタイヤ交換。そこに人相の良くない警官が来たのでハッとするが、意外にもタイヤ交換を手伝っていた。いい人もいるんですね。
昨日はドンムアン空港から四キロばかり離れたラジコン飛行機専用の空港を見た。今日はラジコンカーのサーキットを探す巡礼の日である。
サリカフェで尾藤さん(仮名)と待ち合わせ。彼は今回、後学のためカオサンの某ドミトリーに宿泊している。話を聞くと、朝方必ず同部屋のほぼ全員が勃起しているとか。むさ苦しいので移りたいと言っていた。
とりあえずタクシーでRCAへ。かつての栄光はどこへやら。いまでは薬まみれの男たちが問題を起こすヤバい場所として知られ、繁華街もさびれムード一色。立ち並ぶショッピングセンターも歯抜け状態で「FOR RENT」の嵐‥‥。この一角にタミヤの総代理「サイアムタミヤ」の直営ショップがある。
値段は仕方ないけど高め。しかし店長の男性はひまだったからか愛想よく応対してくれ、バンコク近郊にあるラジコンサーキットの場所をいくつか詳しく解説してくれた。
続いて入ったのは、そこからワンブロック先にあるプラモ専門店「SKYSHOP」。名前の通りここは航空機プラモがメインで、ハセガワのタイ代理店。店はガラス張りで在庫も日本のプラモ屋以上。値段も安かったりして不思議な店だった。奥で店長がプラモを作っていたので尾藤さん(仮名)が話しかけると、いま値段を安くしてあげないとマニアが育たないからねえ。と語ってくれた。
店長曰く、この店は副業に過ぎず、他にも色々やっているのでとりあえずは毎日プラモデル作ってますよ。という羨ましい人。で、入店したときに制服警官がウロウロしていたのでカネでもたかりに来ているのかと思ったが、帰り際、彼が飛行機のプラモを買っているのを見て驚く。そうか、マニアだったのか‥‥。
その後、郊外のパタナカンというところで、かなり大規模なRCサーキットを二つばかり見学。平日のまっ昼間からラジコンやってる奴はさすがにタイでも少ない。というかいなかった。