ボートフェスティバルの夜。一帯に糞尿の匂いがたちこめる

s-0075 昨日から三日間(たぶん)プノンペンではボート祭りが開かれている。

 割と有名な香港のドラゴンボートレースみたいな催しで、全国から集結した荒くれ男たちが、グループでボートを漕いでトンレサップ川をさかのぼり、フンセン首相以下、地元の有力者たちが供出した賞金と副賞のバイクを奪い合うというもの。
 今年はプノンペン市567周年の行事も重なり、パキスタンの兵員輸送トラックみたいなボロ車ではるばる田舎からやってくる、見物・応援の田舎軍団の数も普段よりずっと多い。

 各テレビ局は特設ステージでそれぞれ目玉の出し物を披露、その模様を生中継して視聴率を稼いでいる。これまでショーといったら化粧の濃い女性歌手がかん高い声で唄うという決まり切った内容だったものの、今年は奇人変人ショーや大道芸人など、普段おまえら何処で仕事してるんだよ!というような、これまでに無い雰囲気の人々が多数登場、気合いの入れようが窺える。

 この期間、川沿いの一帯は交通規制され、数十万人の田舎者と地元住民が押し合いへしあい。洗剤メーカーが販促で配る洗剤目当ての人もいれば、スリや痴漢や強盗もいる。個人的にはおっかないのであんまり近寄りたくない。

 夜中になると、酔っ払ってハイになった若者たちが天下をとった勢いでバイクにまたがり夜道を暴走。夜10時以降、人通りが極端に少なくなる町だったけど、今日ばかりは「眠らない町」だ。

 夜が明ければ、昨晩うろついていた群衆の捨てていったゴミ。食い残し、糞尿などが川沿いにたっぷりこんもり。市も普段以上の掃除軍団を組織するが、ギャラリーの大部分が野宿人なうえ、公衆トイレが無いため、川沿い一帯の広大なエリアに糞尿の匂いがたちこめる。

 最下層レベルの売春宿が並ぶ70ストリートにも嵐が吹き荒れる。チームメイトなのだろうか。同じ帽子に同じ制服を着た無数のグループ(全員男)が、何チームも何チームも何千人も、目を真っ赤にしながら二列縦隊でウロウロウロウロ女を物色。薄暗い場末の人口密度が朝の埼京線並みにうなぎ登り。AOKで長槍兵を二万人ばかり作って行列させたらこんな風なんだろうな。



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