西遊記の思い出。小林という男は六小齢童のものまねが抜群にうまかった
高校生の頃、日本テレビが超深夜に中国版の西遊記を再放送していた。
導入部で確か周富徳(たぶん)が解説をしていて、なんでコックが西遊記の解説を? と不思議だった記憶がある。
西遊記といえば夏目雅子に堺正章という印象が強い。ちなみにこちらは同時期にBBCでもオンエアされており、しかも人気があったそうで、我々と同年代の英国人なら「イエア、沙悟浄は岸部シローだろ、借金は大丈夫なのか?」といった具合で誰でも知っている(らしい、たぶん)。
https://www.monkeyheaven.com/index.html
夏目版西遊記のDVDは日本で見つからないが、英国では当たり前のように全話販売されている(日本でも後に発売)。
だが、わたしにとって夏目版より思い出深いのが中国中央電視台製作の「西遊記」である。
夏目版よりも原作に忠実で、したがって血の量も多い。孫悟空も殺し好きでよく人を殺す。三蔵も自分が危ないと殺人を容認したりするところがリアルだ。
堺正章もはまり役だが、中国版西遊記で孫悟空を演じている六小齢童は、先祖代々サル専門の役者という家系だけあって、まさに(少々いかれている)サルそのもの。白痴で殺し好き、しかし仁義は守るという悟空を体現している。六小齢童の孫悟空を一度でも見てしまうと、他のすべてが生ぬるく感じてしまう‥‥。
高校時代。なぜか私とその周り(四人)でこの番組が話題になっていた。四人は毎週必ず中国版西遊記を見て、翌朝学校で眠い目をこすりつつ、大いに盛り上がっていた。あんなにバシバシ殺して凄えよな。きのうも血だらけだったな‥‥等。
なかでも小林という男は六小齢童のものまねが抜群にうまく、授業中に悟空をまねたかん高い声で「シーフォー(師匠)」と叫んだりして、わたしがそれに応え、三蔵に似せた低い声で「ウコン(悟空)‥‥ウーミートーフー(南無阿弥陀仏)」とつぶやき、番組の存在を知らない級友たちから白い目で見られたものだ。
当時はVHSテープが高かったので録画は怠っていた。後悔先に立たず。もう一度見てえと何年も何年も念じていたら、遂に中国版西遊記のDVDセット(日本語字幕)を発見。速攻買いました。買ってよかった。六小齢童はすげえ。皆さんも是非!
https://www.chinasoft.co.jp/koten/koten10.html
西遊記 https://t.co/kiWwu9yp9q