カンボジアの素:睡眠薬をさがして

この記事は90年代にミニコミとして出版したガイドブック「カンボジアの素」に書いた記事を復刻したものです。後年、情報を追記したりしていますが、全体的に古すぎ、記述が攻撃的で、正確ではありませんので、読んで懐かしむ程度でお願い致します。

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暑い。6月のプノンペンはクソがつくほど暑い。濡れ濡れのジーンズを干したら1時間でカラカラだし、空港から一緒に来た自称貧乏バックパッカーの荒井君は、初日にハリキリすぎていきなり日射病食らって倒れてるしで、日中外に出るのは自殺行為なのだ。日射しは超強力なんで、帽子が無いと非常に危険だ。

エアコンの無いゲストハウス住まいは本当に辛い。10分おきにシャワーを浴びているのに、あっという間に汗ジャージャー状態なのである。たまらん。僕の部屋はまだ窓から風が(熱風)入ってくるけど、窓の無い部屋の荒井君は今ごろ死んでるんじゃないか。本当にヤバイなあ。

こんな時は睡眠薬で日中寝ているのが一番いいのではないだろうか。実際そうしている人もいるそうだし、ほかの国々では処方箋のいるハルシオンも、ここだったら多分(多分だよ)いらねえんじゃないかなあ。いっちょう仕入れてくるか!。と、街のクスリ屋へ突入した。

「ハルシオンありますか?(一応英語)」
「・・・???」
「あのホラ、青いやつだよ」
「ないね、売り切れ」

売り切れということは売っているのか?。私は街を歩き、片っ端から薬局を攻めた。こうでもしなくては気がつかないが、プノンペンの街って異様に薬局が多い。
なんだか知らないけど4軒並んで商売している薬局もあるし、驚かされたのはその4軒のななめ前に薬局があったりする。もしかすると、薬局をやっているとなにか優遇措置でもあるのかなあ。

結果、30軒近くの薬局を徘徊したが、プノンペンの薬局でハルシオンは入手できなかった、ほとんどの店ではヴァリウムばっかり売っていて、言えばどんどん濃度の高い奴を奥から出してくれるんだけど、飲みすぎて死んでしまわないように注意。(1994)

その後、ハルシオンやらロヒップノールから、品揃えの良い店を発見……。薬局が増えすぎて悪質な店や適当な薬を売る店が続出したため、最近は市が無許可営業の薬局を摘発したりしている。それはいいとして暑い国なので、睡眠薬はともかく、酒でも飲まないと寝つきが悪い。(2004)
(文・アジアの素編集部)



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