カンボジアの素:豚ご飯
この記事は90年代にミニコミとして出版したガイドブック「カンボジアの素」に書いた記事を復刻したものです。後年、情報を追記したりしていますが、全体的に古すぎ、記述が攻撃的で、正確ではありませんので、読んで懐かしむ程度でお願い致します。
「ブタご飯」。むろん、正式名称ではない。
味のついていない飯の上に炭火で焼いた黒こげ寸前の豚肉を切ってのせ(6-7きれ程度)、薬味と甘酸っぱいタレをかけた料理。主にブルーカラーが朝昼晩の主食にしている。運がいいと大根スープが付き、もっと運がいいと脂身にあたる可能性もあるが、通常はアブラ気のない豚肉である場合がほとんどで、でもそのほうがさっぱりしていて良いという声も。
野菜はないので、ビタミンは付け合せの漬物から得る(ないこともある)。小道の屋台や小さな食堂で細々と販売されていて、一食2000リエルくらいから。有名(?)なのは夜の154st。夜9時くらいにモニボン通りから154stに入ると、すぐに柄の悪い人々がたむろする一帯にさしかかるが、そのあたりに大きな屋台が二つ並んでいて、ここのブタご飯は良く売れている。なぜかは知らない。
テイクアウトもできるんで夜食におすすめ。安くて簡単なのでこればっか食ってる人もいるようだが、明らかに栄養偏っているので注意。因みにカンボジア名はバーイ・サッチュル。
バイが飯でサッチュルが豚肉。そのまんまだ。で……。名物でもなんでもないただの安飯なので、旅の目的に「ブタご飯を食べる」とか入れないように。セブンイレブンのおでんを食うために日本へ行くようなものである。(2004・K)
タイの屋台料理で豚といえば「カオ・カームー」が有名。豚足の塊を卵と野沢菜みたいな葉っぱと一緒に甘くトロトロになるまで煮込んでから飯の上にぶっかけた料理で、豚の角煮より食感なめらか、麻薬的でさえある。健康には超悪そう。煙草よりも良くなさそう。でも食うんだよ!。というわけで大好きだ。
で、カンボジアでも食うことができる。プノンペンでは、モニボン通りとシアヌーク通りの交差点からちょっと南あたりに、中華系の食堂が密集しているエリアがある。ここいらは朝方まで営業していて、夜いっぱい飲んだ後のラーメン屋みたいな役割をしているようだ。
この中の数軒でカオ・カームーもどきが入手可能。カオ・カームー(豚足ご飯)というよりは、具のみ販売といった感じで、テイクアウトもできる。内容はタイのあれと同じ。ただ、当たり外れがあり、この前まで美味しかった店が今週から最悪。といったことも珍しくない。理由は知らない。
まずい店にあたると、肉がつま先の皮と小骨ばかりとか、煮込みが足らないとか問題山積。一軒一軒試してゆくしかないだろう。で、どうでもいい話だが、タイの屋台ではなべ一杯の豚足を煮込む際、味の素を二袋入れる。大匙二杯ではなく、ふた袋だ!!。なので、最近は食べてない。美味しいんだけどね……。 (2004・K)
(文・アジアの素編集部)