失われた時を求めて:プノンペンゲーセンリポート#1

バトゥー高校近くのネットゲーセンに潜入した!

プノンペンに住み始めて1年半。日々の生活に倦んできた今日この頃、無為に時間を過ごすなら、とことん無為に時間を潰そうと、昔、市内の至るところにあったお子様向けのゲーム屋を思い出す。

赤茶けたプレステでファイナル・ファンタジーやりたいな。三國無双やりたいなー。と思いながら、プノンペン市内をバイクで探索。しかし、かつてあれほどあったプレステーションゲーム屋はほぼ全滅し、インターネット接続で武装したオンラインゲーム店に姿を変えていた。

オンラインゲーム店の最密集地は、プノンペン中心部・バトゥー高校周辺。この狭いエリアに20件以上のネットゲーム店がひしめいている。

「✕✕✕NET」と控えめな看板を掲げ、店の内外に日焼けしたネットゲームのポスターがベタベタ。電気代を節約するためだろう、暗い店内にPCがズラッと並び、人気RPGゲームの画面が、その暗がりの中で煌々と輝いている。

学校終わりの中高生が、プラッチックの椅子にふんぞり返りながら、黙々とプレー。キーボードをカシャカシャ叩く音と、時たま歓談する甲高い奇声。天井の扇風機がブンブン回転しているのをぼんやり見上げていると、お金と時間を、ゆっくり、しかし確実に、吸い取られている感覚に陥いる。

お目当てのプレステーションは無いけれど、時間を潰すのは本望と割り切り、店のおばちゃんから、1時間プレーできるパスワード券を1ドルで購入。生まれてはじめてのオンラインRPG “War Craft” を体験するも、全部英語でキーボードの操作は超複雑だ。

スタート周辺の森周辺をぐるぐる回り、敵と遭遇する以前に誤って味方を攻撃。チームのメンバー2人を殺したところでつまらなくなり、15分程度で終了。残り3000リエル分のパスワード券を握りしめ、もうこの店に来ることは無いなと思い、外に出ると、雨が降り出しそうなどす黒い曇り空だった。
(文・本因坊)

ゲーム名:war craft/1時間4000リエル/ドリンク、お菓子の購入可


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