失われた時を求めて:プノンペンゲーセンリポート#3

ゲーセンにいる女性って、顔色は悪いけど輝いてますよね!

いま、プノンペンで最も賑わっている商業施設。それがソリヤ・ショッピングセンター。今日は最上階にあるゲームセンターに潜入しました。

立地が良いため、プノンペン市内のゲームセンターで最高に賑わっている感じ。日本のゲーセンと異なるのは、客層が主に家族連れ・女の子同士だったりすることでしょうか?

わが子に目もくれず、大量のコインを魚捕獲ゲームに費やす母。いかにも「金づる」っぽい気の弱そうな男の子を引き連れた女子軍団。

そんな人々がキャッキャーッ!とバスケゲームに興じる横で、ひとつも瞬きせず、ひたすらスロットのボタンを叩く姿勢の良い女子高生……。色々気になる光景が目につきましたが、ゲーセンに女性がいる光景はやっぱりいいものです。たぶん。

ここの一番人気は、アジアで大人気の中国製「魚捕獲ゲーム」。本気でやると20~30ドル必要な金食いゲームですが、そのぶんリターンも大きく、サメのような大型魚を捕獲すると、ジャラジャラ勢いよくコインが放出され、場内騒然。交通事故現場並みの人だかりができます。

レーシングゲームや大画面シューティング、ダンスゲームはコイン2~3枚必要で、やり込まないとうまくならない。かつ衆目に晒される大型機、恥ずかしがり屋のクメール人にとってあまり人気が無い印象でした。お店の看板みたいな物でしょうか。(大型レースゲーム)グランツーリズモを遊び半分でプレーし、逆走に逆走を重ね、ゴールにたどり着けない女の子が不憫でした。

対して、格闘ゲーム系は男の世界。暇そうなお兄ちゃん達がガシガシ遊んでいました。まさに、日本のゲームセンターと変わらない雰囲気。そして、カップルが一緒に遊べるバスケットシュートゲームは男女問わず大人気。参考までにベトナムのゲーセンでは、ゴール下に年端も行かない子供を立たせ、そこからスローさせているモンスター・ペアレントを見かけましたが、これは明らかに反則です。

パンチ力を測定するボクシングゲームは、グループを引き連れた力自慢の若いクメール達が仲間内の序列を確認するため、定期的にパンチ力を測定してるようです。

コインゲームには金のない小中学生が群がってます。少ないコインを一枚でも増やそうと息を殺し、おそるおそるコインを放り込みますが、無常にもコインの山は微動だにせず、全財産を使い果たし、声も出ず立ち尽くす姿を何回か目撃しました。

私はクレーンゲームでセサミストリートの人形を一体勝ち取りました。……がその際、寝巻き姿でゲーセン内をウロウロする小学生兄弟が横からクレーンのボタンを押そうとするので、つい大人気なく彼らの身体をぐいと押しのけてしまうのですが、痩せ細った身体はとても軽く、子供特有の高い体温が己の手に伝わり、そこはかとない罪悪感を感じてしまうのでした。

一瞬、獲った人形を彼らにあげようか逡巡しましたが、自分のカバンにそっと仕舞い込みました。
(文・本因坊)

ハッピーランド(快楽天地)/ソリアデパート6階(最上階)
約400㎡/ワンコイン500リエル(大型機は2~3枚必要)
メダルを集めるとぬいぐるみ等に交換可。換金は不可。


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