素手で虎を殺す伝説のマスター！ 謎の格闘技ボカターとは！？

アンコール時代、古代クメールの兵士たちが習得した恐怖の格闘技「ボカター」。ポルポト時代に継承者が絶滅したと思いきや、密かに再興の動きが！

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ボカター(正式名称Labokkatao : ល្បុក្កតោ)はカンボジア最古の武術。その歴史は1000年前まで遡ることができる……。馬、鳥、ナーガなど341種の型があり、免許皆伝・伝説のゴールド・クロマーとなるためには、10ランクの最高位である黒クロマーを得てから少なくとも10年間の修行が義務付けられているんだとか。

ポルポト時代、かなりのボカター使いが難民として国を出るか粛清され世を去ってしまったため、伝統継承者が失われたボカター。ベトナム占領時代には非合法化され、このまま潰えてしまうかに思われた寸前、一人の男が立ち上がった！ ショーン・キム・サン氏です。

今や最強のゴールド・クロマーとして「ボカターの父」と崇められる氏は、ポルポト時代をアメリカで過ごし、テキサス州ヒューストンのYMCAで当時マスターしていたハプキドー(韓国風合気道)を教え、2001年、カンボジアに戻るやボカターを知る60歳から90歳までの長老を訪ね歩き、その奥義をマスター。遂には素手で虎を殺してしまったことがあるとかないとか──というマス・オーヤマばりの伝説を持つ男であります。

広報戦略があざといとか、弟子はともかく師匠があんまり強そうに見えないとか、現在のボカター自体が氏の創作だとかいう批判もありますが、昔、オルセイにあった貧相なジムは郊外でリニューアルし、氏のもとには国籍問わず多数の弟子が入門。着々と勢力を拡大中です。シックスサマナでは、そんなゴールドクロマー師匠に注目。とりあえず黒クロマー目指して入門してくれる協力者を募集中です！
(文・クーロン黒沢)

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