PPストリートファイト : 喧嘩はやめて~、二人を止めて~♪
火事と喧嘩は江戸の花。って言葉がありますが、江戸から数千里離れたここプノンペンでも、揉め事は日常的に起こります。
アセアン諸国のなかで最も成長著しく、ギラギラの投資家が次から次へ押し寄せる昨今のカンボジア。一攫千金のチャンスを逃すまいと、外国人も地元民も怪しく瞳を輝かせ、忙しく動きまわっています。
なにぶん皆さん気が立っておりますので、身近なところで人と人が衝突することもしばしば。通りを眺めると、至るところで罵り合い、殴り合い、どつき合い。仲裁に入ろうものならますますヒートアップ。野次馬も加わって、止めるはずの喧嘩を煽りまくり。温度と湿度は上がるばかりです。
つい先日も、そんなストリートファイトに遭遇。
元来温和な性格とされるカンボジア人。ですが、火がついてキレた日には普段溜め込んでいた鬱憤までが誘爆し、手がつけられなくなります。警察が来ようが雷が落ちようが、全く言うこと聞きません。
双方、往来のど真ん中で相手の肩を押しながら大声を張り上げ、集まった野次馬にひたすら敵の非をアピールするのがカンボジア流。そんなことしても、ギャラリーを楽しませるだけで何の解決にもならないんですが。
この日は珍しく、通りかかった子連れおばさんによるドスの効いた説教で双方トーンダウン。母は強し……といったところでしょうか? この後の展開に胸をときめかせていた拙者・木村としては全くもって消化不良。周りの野次馬もどこか悲しげな、切ない表情で散ってゆきました。
ルール無用のカオスにおいても、相手を思いやる心は大切です。いい本を沢山読みましょうね。
(文・木村五衛兵)