マネー志村の大穴指南 : 円安時代。外こもりから引きこもりに
バンコク在住、お金にはちょっとうるさいミスター志村のマネー活用術!
バンコクに住んで一年半ちょいですが、どうも最近、物価が急激に上がっている気がします。日系スーパーで買い物するバンコク駐妻や街で見かけるオヤジも、イマイチ活気が無いなあと思います。
強烈な円安のせいではないか?ってんで、為替チャートを見て再確認。USドルに対して日本円がピーク時から18%も値下がりしてる。
以前は大体1ドル76円だったのが今日は93円。ドルは2割も値上がり、しかもですよ、USドルに対してタイバーツが3%も上昇しています。
これを足し合わせると日本円はタイバーツに対して21%。手数料を入れたら1/4値下がりしたわけです。てことは、仮に20万で生活していた人はこれから15万でやりくりしなければいけないというわけで、厳しいですね。
日本の製造業だって、進出メリットが円安の分だけ消滅してるってことですから、経費削減は必至です。オヤジは夜遊び、酒、たばこをやめれば健康には良いけど、日本円で給料貰う駐妻は高い輸入食材を諦め、タイ飯35バーツの惣菜に切り替えるとか色々大変でしょうね。他人事だけど。
カンボジアやミャンマーはUSドルが幅を効かせていますが、それでも黙って18%も値上げされたらしびれますよね。
添付のグラフ見てくださいな。赤いのが日本円、横軸の黒と青いの入り交じっているのがUSドルと香港ドル。上がっている黒いのがタイバーツ。これを形容するなら、まさにノックアウト状態。
USドルと香港ドルは横ばいの直線状態です。そう。香港ドルはUSドルとリンクしています。なぜなら香港はアメリカと中国の連結器だから。面白いでしょ? はい、面白がってる場合じゃないですね。ワニに喰われる寸前ってとこですよ。
これが日本の金融緩和、アベノミクスの影響です。実体の裏付けなくお札を印刷すれば、その分インフレでお金の価値が下がるのです。適度なら経済を刺激するのですが……。
円で給料をもらう海外在住者は、日本からモノを買えば為替差損がありません。しかし、現地通貨で買い物をすると差損が出ます。
昨今は電子書籍が流行ってますが、夜遊びやめて日本のマンガでも買って引きこもりますか?
私の住むバンコクには、紀伊國屋、東京堂などの日系書店がありますけど、書籍はむろん海外価格。ものにもよりますが、定価より通常5割から6割上乗せされた値段です。円安なのでインパクトは更に大きい。
これが電子書籍やオーディオブックなら、日本と同じ価格で楽しむことができます。タイにあるものを買うより、日本から買ったほうが合理的。というか、そうするしか円安に対抗できる手段がありません。外こもりから、引きこもりに逆戻りです──。
(文・ジェミング志村 バンコク在住マネーの鬼)