シロアリ退治の必殺仕事人 ペストバスターズが動いた!

カンボジア定住者の悩み。猫みたいに巨大なネズミ、蟻、ハエ、蚊の群れ、そしてシロアリ。

新築のサービスアパートががんがん建っておりますが、それでもまだ、老朽化した建物が数多く残るプノンペン。ポルポト時代以前、つまり、築40年を越える建物も珍しくありません。適当に配合されたセメント、スカスカのレンガ。高温多湿。虫にとっては天国です。

ちょっと古めの集合住宅やヴィラを借りる場合など、賃貸前に建物の周りを注意深く観察しましょう。近くにボロボロの朽木を見つけたら赤信号。シロアリは朽木の近くに蟻塚を作ります。

彼らはまず、あなたの蔵書を狙います。本棚は壁から10センチ以上離して設置するのがベターですが、それでもやられるときはやられます。ある日、穴だらけになった本を発見したら万事休す──。

一旦シロアリを見たら最後、女王アリを何とかしない限り、毎日天文学的な勢いで卵を産みまくります。自力で駆除するのは無駄な抵抗です。素直にプロを呼びましょう。何を隠そう、我々も大量の殺虫剤片手に三ヶ月ほど悪あがきしましたが、体調が悪くなっただけで結局どうにもならず、プロに依頼しました。

プノンペン市内には多くのシロアリ駆除会社があります。殺虫剤ひとつあれば始められる商売で、かつ、依頼者は半ノイローゼ状態にあるため足元を見やすい。そのため新規参入も多く玉石混交です。今回は90年代からプノンペンで駆除業務を専門に行なってきたこの道の老舗、シンガポール系の「ペストバスターズ社」に電話をかけました。

翌日、係員が視察に訪れます。まずは集音マシンで柱や壁の内部をチェック。群れにヒットすると軍事パレード並みのものすごい足音が聞こえてきます。続いて建物の面積から見積り価格を算出。駆除のプロセスを説明します。流石の外資系、まともです。実は今回、同業三社に見積りを依頼しましたが、残りの二社とは対応が雲泥の差でした。5年保証もつけるというので契約を交わします。

数日後、ゴキブリマークのワゴン車でペストバスターズが到着。5人ほどのチームで作業開始。作業前日に床のタイルを全て剥がしておき(別業者に依頼)、まずは床面と壁の下部、建物の周囲にドリルで等間隔に穴を空け、薬剤を流し込んでゆきます。続いてその穴を密封。近場の木にも殺虫剤をふんだんに散布します。近くに原っぱや草ぼうぼうの空き地がある場合、家との中間地点に毒餌入りのポストを設ける場合もあります。丸一日かかって作業終了です。

数ヶ月後に再チェックを行い、異常が無ければひとまず終了。あれから一年半経ちましたが、いまのところ我らのアジトは平静です。
(文・クーロン黒沢)

PestBusters (Cambodia) Pte Ltd
#53B Street222, Phnom Penh
023 218 788

大きな地図で見る



コメントを残す