死んでも金は返さない? カンボジアのローカルプロバイダを解約してみた

サービス加入のときはニコニコ。でも一旦解約となるや鬼を見てしまうことも多いカンボジア。試しにやってみた!

プノンペンの某銀行。100ドル入った通帳を解約したいと申し出ると「口座開設時の控え書類が必要」と言われ、あんな向こう側が透けて見える小さな紙切れ、とっくに捨てちゃったよ! と申し出るや、勝ち誇ったような能面ヅラで「じゃ、無理です」とひとこと。

今は亡き某電話会社でも、25ドルのデポジット返却に契約時控えの紙きれが必要と言い張られ、半泣き状態で怒鳴り散らした挙句、ようやくマネージャーらしき人が返金に応じてくれました。これらの教訓から、契約時のどんなしょっぽい紙切れでも、全て完璧に保管するという癖がつきました。良かったのかな?

というわけで、カンボジアの中堅プロバイダ「アンコールネット」のビジネス向けブランド「メコンネット」の光サービスを数年にわたって利用した私ですが、月20ドルの激安プロバイダと大して変わらない回線品質に毎月140ドルも払うのがバカバカしくなり、解約することにしました。

解約を申し出たのは、そう、昨年12月のことでした。メコンネット曰く「貸出しているモデムを回収したら、デポジットの100ドルをご返金します」とのこと。

待つことひと月。1月末頃、ようやくモデム回収。ずいぶん待たせたな。というイヤミが喉まで出かかりましたがぐっと飲み込み、回収に来た係員にお金は? と訊ねると「この受取書を持ってオフィスに行ってください」と言い残し、目を伏せながら帰って行きました。

翌日、ノロドム通りのオフィスに出向くと、無表情な職員が「はいはい。機材は回収しましたが、返金はケーブルを回収してからになります」と、謎の言葉を吐きます。そう、外部に這わせた光ケーブルの残骸ももれなく回収する様子。

「いつ回収するの?」との問いに「そうですねえ、さ来週は中国正月だから、大体2月末頃ですね」とのお答え。日本ならブチ切れて朝日新聞に投書するところですが、待ちました。

さて結論から申し上げると、2月は誰も来ませんでした。そして3月。三ヶ月も待たされ、流石にちょっとイラついてきた私。担当者に「訴訟の準備をしております。法廷でお会いしましょう」というメールを送った翌週。メールが効いたのか定かではありませんが、ケーブルが回収され「返金のご用意ができました」との電話が──。

またもオフィスを訪れると、紙二枚に署名させられ、20分待たされ、ようやくベンジャミン・フランクリン氏の印刷された紙切れが戻って来ました。苦節三ヶ月。皆さんもこのケースを心に留め、解約に臨んでください。
(文・クーロン黒沢)



“死んでも金は返さない? カンボジアのローカルプロバイダを解約してみた” への3件のフィードバック

  1. katsu より:

    ありがとうございますした。

  2. admin より:

    昔、それで大モメした人がいますが、今は大丈夫だと思います。MaybankかANZ Royalあたりが無難かと。

  3. katsu より:

    カンボジアにロングステーするため、6月の末にいきますが、銀行の利子が高いので、全財産を銀行に入れ用と考えております。カンボジアの銀行で安心して預けることが出来る所がありますでしょうか。
    どの銀行も書類が足りなければ、解約して返金してもらうことが出来ないのでしょうか?。アメリカではIDさえあれば解約返金してもらえました。
    教えていただければ幸いです。

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