機内食マニア : この厳重さがミステリアス。謎に包まれたユダヤ機内食

封印を解いてもよろしいでしょうか? 木村五兵衛、謎のユダヤ教食にびっくりです!

毎度おなじみ、機内食シリーズのお時間です。ライト兄弟が空を飛んで早100年余り、お空で食事もできちゃいますってことで、いつものようにバンコクエアウェイズ「プノンペンーバンコク」間のスペシャル機内食。いってみましょうか?

今回オーダーしたのは厳格な戒律で知られるユダヤ教食。通称「コーシェルフード」。ヘブライ語で「適正食品規定」を表すカシュルートという言葉が語源だそうですが、あっしには関係のないこって、要するに美味ければ喰うというだけの話です。

詳しく書くときりがないので簡潔にご説明しますが、ユダヤ教徒は普段私達が普通に食べている豚肉、イカ、タコおよび、エビ、カニなどの甲殻類が戒律上食べられません。

食事にありつくまで、例のごとく空港チェックインから搭乗口から、厳格なユダヤ教徒であることを何度も何度もしつこく確認されます。そのさい名前を訊かれますが(チケットに書いてあんだろ)、自分の名前を言うたびに怪訝な顔をされます。なんなんだよ?

ようやく飛行機に入り、シートに腰を下ろすと、なんと離陸前に食事が運ばれてきました。早すぎ! そんなに腹減ってると思われたのかな……とほっぺが真っ赤に染まります。理由は不明ですが、CA曰く──

「あなたのために特別に用意した食事です。封印されているため温めることが出来ません。今ここで封印を解いていただければ温めますが、私達も触れることの無いよう細心の注意を払います」

だって……。下手にぼろを出すと異教徒とバレてしまうので、ここはCAのお姉さんに全て任せました。震える手で封印を解いてくれます。そう、異教徒が触れることすらできない食品。どこまで排他的なんだ!

離陸後しばらくして、温められた食事が戻ってきました。箱にはコーシェルフードであることを示す「コーシェル認定証」付き。調理人のサインまで添えられています。メニューはナスの炒めもの、魚のソテー、赤米、ケーキ、パン、そして水。

早速、神に祈りを捧げるふりして、いざ頂きます……。どれも冷凍食品の味ですが、概ね普通に頂けます。魚のソテーはジューシーで思わず笑顔がこぼれました。ニコニコしながら写真撮影中、CAがトレーの回収をはじめます。そう、飛行時間はわずか50分。ゆっくり喰ってる時間はないんです。
(文・木村五兵衛)



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  1. @takuya6664 より:

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