宇宙基地へようこそ。プノンペンに悪趣味な家が増えている話
知人が家を借りるというので、貸し家の物色に一日つき合わせてもらった。
空家などプノンペン中に散らばっているが、値段をいちいち訊いて周るのも面倒臭いので地元の不動産屋に飛び込む。プノンペンの不動産屋も、賃貸契約が終わった段階で大家から家賃の一か月分を謝礼に貰うという仕組みは同じ。借りる側の負担は無いので気軽にどうぞ。
てなわけで、不動産屋のクルマであちこち連れていかれた。某地域の新興住宅地をウロウロしていると、日本のテレビでよくやってる「豪邸拝見」系のお宅ばかり目につく。この貧乏国のどこにこんなカネが眠っているんだろう──と考えさせられるが、そういう思考すらぶっ飛ぶというか、なんというか、目の前にすごい家が‥‥。
東北の自称羽柴秀吉(運送業)の建てた城より確実にでかい宇宙基地風の家。最初はどっかの多国籍企業の本社ビルかと思ったら、不動産屋いわく個人の家(大物官僚)だそうだ。言葉では表現不能。悪趣味なバベルの塔という感じで、カメラを忘れたことを深く後悔したが、おっかない顔の警備兵が配置されていたので、カメラを忘れて正解だったかも。
藁葺き高床式住居の横にパルテノン神殿。その向かいにはホワイトハウス風紫禁城など、町の景観くそ食らえな雰囲気の建物も続々と建築中で二年後が楽しみである。できればもっと普通の家に住みたい。