【闇の大人たち】第36回:異色のライトノベル、プノンペンで大人気
ポルポト政権時代、国中の知識人が皆殺しにされ、文化と名のつくもの全てが焼き尽くされた、カンボジアの首都、プノンペン。
内戦が終わり平和が戻った今、町の書店は、あらゆる文化を吸収しようと貪欲に目を輝かせた若者たちで熱気ムンムン……とまではいかないが、まあ、そこそこ賑わっている。
そんな、プノンペンの目抜き通りにそびえる立派な本屋さんで今一番売れているのは、何を隠そう「表紙にアニメ調のイラストを多用した若年層向け小説」──そ、それってもしかして、カンボジア版ライトノベル?