カンボジアの素:ツールスレーン
この記事は90年代にミニコミとして出版したガイドブック「カンボジアの素」に書いた記事を復刻したものです。後年、情報を追記したりしていますが、全体的に古すぎ、記述が攻撃的で、正確ではありませんので、読んで懐かしむ程度でお願い致します。
キャピトルゲストハウスからバイクで15分、そこに戦争犯罪博物館があった。正式にはツールスレーン博物館。入場料は1ドル(リエル払いもオーケー)。
中は2棟に別れた元小学校。1棟の部屋にはベトナム軍がプノンペンに入った時、ベッドに縛られてガソリンをかけられ、焼き殺された捕虜の写真とそのベッドが何気なく置いてある。床には、未だ黒い染みが……。ウエーッ。
もう1棟は収容所になっていて、当時の独房(大きな部屋を煉瓦で区切ってある)が全て残っている。壁に傷つけられたカレンダーの跡が痛々しい。ギャーッ。
最後の部屋は展示コーナーになっていて、ポルポト兵が知識人や捕虜を殺す前と後に(何故か)撮影した顔写真が、それぞれ壁一面に貼ってある。ギョエーッ。
そしてポルポト兵が拷問に使った色々なおぞましい道具とか、元捕虜が絵に描いた拷問の様子(これが結構怖い)。そしてガイコツで作ったカンボジアの地図などか置いてある。ヒエーッ。
丁度その時、カンボジア人の小学生たちが団体で博物館を見学に来ていた。やはりイカれた奴はどこにでもいるらしく、先生の目を盗んでポルポトの銅像にケリを入れたり、ガイコツの目に指を入れたりして鬼畜な事をしてヘラヘラ笑っていたのが、とっても印象的でしたね。はっはっはっ。アイヤーッ。
収容所の2階にはズレた黒板が残っていたりする。壁のラクガキも見逃せない。また、錆に錆びた小さな箱形トイレとコンクリートにうめこまれたままの足カセ手カセ用チェーン、部屋の壁4面全体に貼られた死者の写真が忘れられない。しばし、ここから脱走するにはどうすればいいかと考えた。もっともどうせ逃げても即捕まったろうけど。(1994・K)
(文・アジアの素編集部)