カンボジアの素:鶏ご飯

この記事は90年代にミニコミとして出版したガイドブック「カンボジアの素」に書いた記事を復刻したものです。後年、情報を追記したりしていますが、全体的に古すぎ、記述が攻撃的で、正確ではありませんので、読んで懐かしむ程度でお願い致します。

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「鶏ご飯」と聞いて、タイのカオマンガイを想像したあなたは負け犬。

似て非なるというか、どうしてこうなっちゃったの?。と欽ちゃんを意識したくなるほどの独自性というか、変化がないというか、焼いた鶏肉を骨がついたまま切らずに塊ごと飯(味付けなし)にのせ、上から豚ご飯と同一のタレをかけただけ。というもの。

豚ご飯と同じような味だが、格式的には豚ご飯より上位に位置し、のせる鶏肉の部位を指定できたりと、変なところでこだわれるのが特徴。運がいいとスープとか漬物がついてくる。運が悪いとついてこない……。

値段は豚ご飯よりもちょこっと高く、店舗を構えている場合がほとんど。鶏ご飯屋の地べたは客が吐き出した鶏の骨が散乱していて凄い光景。食うなら大体朝しかやってない専門店がおすすめだ。汚い店なのに高級車が沢山停まってたりするのは、うまい証拠である。

タイ式のカオマンガイが食いたい。あの、病弱っぽい白色に蒸し上げた肉が最高なのに。とお嘆きのあなた。一応、もどきが食えないこともない。ただ、もどきなので味は本場にはかなわない。覚醒剤のかわりにリタリンを飲むようなもの。それでも食いたいという人は、中華風ホテルのレストランとかをチェック。

あとは安っぽいタイ料理屋。ご飯に味がついてなかったり、タレが全然ダメだったり、がっかりすること請け合いである。うまい店があったら教えてもらいたいくらいだ。(2004・K)

鶏ではないが、ロースト鴨肉は移動式の屋台で販売されている(量り売り)。電話ボックスのような屋台に、鴨が吊るされていたら覗いてみよう……。なぜか暗がりでポツンと商売していることが多く、衛生面の懸念も多くて、ちょっとした勇気が必要。

屋台で買うのはちょっとという人は、ユウナムという中華系スーパーマーケットの一角で切り売りしている鴨がおすすめ。うちはうまいという自負があるのか、結構いい値段がついているが、味はあまり変わらず。包丁とかまな板がきれいなのが救い。

切ってもらった鴨を飯の上にのせただけでも充分うまい。が、脂ギトギトで健康には悪そうだ。しかし、健康に気をつかうのならカナダにでも住めばいいだけの話。(2004・K)
(文・アジアの素編集部)



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