クメール庶民通信 : 普通の食堂で普通にメシを喰う
ほんの少し前まで、食べるものにも苦労したカンボジア人。最近めっきり豊かになりました。
人さまのマンゴーを勝手にもいで食べたときの、あの背徳感……。ですが最近じゃそんなこと、貧乏クマエでもようしません。
今、プノンペンは外食ブーム。お金持ちはいいとして、低所得者層にも外食ブームの波が来ています。そこで今回、彼らが愛用する「作り置きの惣菜食堂」に顔を出してみました。
大皿に盛られた惣菜から好きなものを選び、炊きたてのご飯で頂くシステム。無料のお茶でカフェインも補給。
気になるお値段は、惣菜が一皿3000リエル。ご飯1000リエルの合計4000リエル(1ドル)です。
安いとお思いの方、ブルーカラーの収入は月60ドルから100ドルです。1ヶ月間、1食1ドルのメシを3食食べたら90ドル。借金しなきゃやっていけません。この1ドルメシだって、彼らにすれば充分贅沢なのです。
楽しそうにメシを喰う貧乏そうな若者たちを前に、涙がこぼれます。そんな拙者はタロイモと豚肉のスープ、ブロッコリーの炒めもの、フキの炒めものという感じで、豪勢に三品もオーダー。
味をどう表現したらいいか迷いましたが、例えていうなら給食の味。そう、どこか懐かしいお味です。
店員も地味で質実剛健な感じ。ボンケンコンのスカした店員に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいほど、心地良い空間です。
(文・木村五兵衛)
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