ヘリコプターの運転ができる変態の人とお茶した

s-0053 昼間、バンコク・スリウォン通りの某喫茶店でカイさん(仮名)という友人と会う。ヘリコプターの運転ができるという特技を持つ男だが、セックス方面の伝説も多い‥‥。

 ともかく、最近バンコクで働きたいという漠然とした思いがあるそうで、就職活動のため短期で訪タイしている。
 しかしながら、楽な仕事は小遣い程度の給料しかもらえず、満足できる仕事は胃に穴が開くような環境というわけで、うまい話はないらしい。現時点で月に三日ほどしか働いていないらしく、日本で働いたほうが楽ですねハハハ‥‥。という割り切りぶりだった。

 夕方、ドンムアン空港へ。ロイヤルネパール航空のチェックイン・カウンター前は倉庫のように巨大な荷物が積まれ、目の鋭いインド系の男たちがウロウロしていた。彼らはこちらを見るや駆け寄ってきて、僕の手に次々と自分たちの荷物を押し付け「これも一緒に頼む。ノー・プロブレムだ」と一方的にまくし立てる。
 その根性はともかく、頼み方が気に食わなかったのでカウンターの職員に目配せすると、お互いの利害が一致したようで急いで救援に来てくれ。僕のかわりに片っ端から断ってくれた。すると男たちは新たなカモを探しだし、そこに遅れてカオサンから尾藤さん(仮名)がやってきて‥‥。
 深夜。我々の乗った飛行機はカトマンズに到着。しかし飛行機が着陸態勢に入った瞬間、いきなり下腹に激痛が走り、呆然とする尾藤さんを残したままイミグレまで走り、残り時間18秒でトイレにすべり込んだ。もしイミグレでウンコをもらしたら、果たして入国拒否されてしまうのだろうか。試してみたい気もしたが、実行は先延ばしだ‥‥。

 ターンテーブルで得体の知れない男から勧められたタメルのパンダホテルという煤けたホテルに連れていかれる。部屋のタオルは真っ黒。シーツには鳩の糞がついているようなところで、神経質で潔癖症の尾藤さんは顔を青くしていた。

 巨大な蚊が悠々と飛びかうなか、明日の朝、ホテルを変えなきゃいけないな‥‥と思案をめぐらせる。ネパールの山岳部ではいまさら、毛沢東主義者が活発に活動しているという。



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