いつも笑顔を欠かさないジャッキー。ジャッキーは本当にいい奴かもしれない

s-aishite-po-po ジャッキー・チェンは「私生活もいい奴」というのが定評である。

 いつも笑顔を欠かさないジャッキー。ま、本当にいい奴かどうかは10年くらい交遊してみないとわからないのかも、でも、そこまでの余裕も人脈もないので書物で謎をひもといていた。

 まず是非手に入れてもらいたいのが近代映画社の「愛してポーポー」である。

 名前といい、表紙の写真といい、帯の文句もいい味出している。子供向けに書かれているのでゲスな表現やバイオレンスなエピソードは省かれ、ひらがな多すぎで読みにくいやらなんやら、でも、ジャッキー自伝の原点であることは間違いない。

 ポーポーを読んだ後は「僕はジャッキー・チェン」を買え。

 ポーポーを水増ししたような内容はともかく、こっちはれっきとした大人向け。ギャンブルに狂い、家賃まで賭けてしまった若き日の過ち、喧嘩に目がなかった話、サド侯爵ばりの男たちにいじめられていた少年時代のお話など、ポーポーで余り語られなかった暗黒面も余すところなく披露。本当は阿片とかにも手を出してたのかもしれないが、今のジャッキーを見る限り、阿片中毒者の面影はない。

 いずれにせよ、そんなこと今更本人が語るわけもなし、訊ねる勇気のある人もいない。永遠に謎のまま地球は滅びてゆくのだろう……。ということで、550ページオーバーのとても重たい本だが、サモハンがどれだけ性格の悪い男なのか詳細に記載されているので、アンチデブゴン派の人は必見だ。

 さあ、本人の打ち明け話を聞いたら、今度は周りの声を拾ってみよう。香港ベースなスタントマン谷垣健治の「燃えよスタントマン」は、香港映画に憧れる谷垣青年が旺角のラッキーゲストハウスで番頭のバイトの傍ら、ジャッキーの事務所前で張り込み、三菱ディアマンテで颯爽と現れたジャッキーに無理やり演舞を披露するといった、いい話でいっぱいの楽しい本だ。

 ジャッキーは突然目の前で暴れ出した谷垣青年を叱るどころか、感心して見守った上、指導までしたという。ジャッキーは本当にいい人だったんだ。でも、最近の映画はちょっとイマイチ。そんな秋の夜長でした。



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