秋の交通安全週間・イン・プノンペン

本サイト記者が凄惨極まりない交通事故に遭遇。できれば一生経験したくないものです!

長らくプノンペンに住んでいると、週に一度は事故現場に遭遇します。もっとも、大半はかすり傷程度の軽いものですが、たまに大物と出くわすことも……。そ、そんな交通事故が、よりによって拙者木村の自宅前で起きました。壮絶な現場からのレポートです。

日付をまたいだ深夜一時半、一日の疲れを落とそうと、火傷しそうなほど熱いシャワーを浴びるべく準備をしていました。ズボンを脱ぎ、パンツをおろしかけていたそのときです。パシャーン! 的な凄まじい音が一帯に響き渡りました。何とも例えるのが難しい、悲惨な音でしたね。

事故だと確信した私は、すかさずカメラ片手に現場へ急行。行かなければよかったと後で後悔する羽目に……。

現場で目に飛び込んできたのは、前輪にバイクを引っ掛け、バンパーが外れかけたレクサス。真夜中というのに人だかりができていて、野次馬たちが好き勝手に現場検証を行っているという地獄のような状況でした。

レクサスの後方10メートルに被害者らしき人影がぐったりと横たわっています。こちらも周りの野次馬が突っつき回していましたが、頭部から激しく出血、太ももの横から骨が露出しているという悲惨な状況ながら、時折小刻みに動いていて、どうやら死んではいないようです。拙者、不覚にもこのシーンだけで喉の奥が酸っぱくなってきました。

そうこうするうち警察と新聞記者が到着。野次馬を追い払いつつ写真撮影に没頭します。こうしてカメラに収まった写真が翌日の朝刊に掲載されるわけか!

血だまりが大きくなるにつれ、被害者の動きが緩慢になります。そろそろ臨終かもしれません。救急車よ、早く来てくれ!

間もなく、けたたましいサイレンとともに到着した救急車から、本当にこいつで大丈夫か? と疑いたくなるチンピラ風体の救急隊員が登場。とりあえず担架に乗せて病院へ。このとりあえず感がハンパ無くゆるいです。

さらに救急車に続き、ボーボー(おかゆ)、夜鳴きコーヒー屋やらがバタバタと到着。すかさず、野次馬や被害者の家族に食料品を販売します。一方、事故車の運転者はさっさと逃走。事故った途端、一目散に逃げ出して今頃は隣町でしょうか。道徳心の無さはさすがと言うほかありません。いづれにしても壮絶な現場でした。

統計によると、カンボジアの交通事故死亡者数は毎年約10パーセントの勢いで増えているそうです。バイクに乗るときはメットを着用し、不必要にスピードを出さないよう注意しましょう。飲酒運転の規制がゆるいからと言って、飲んだら乗ってはいけません。自分がきちんと運転してても、斜め後ろから勝手に突っ込んでくるのが現地流です。
(文・木村五衛兵)



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