カンボジア名車列伝 : 知られざるスーパーカーを探せ!
ピザ屋の前でHONDA S2000を発見! 珍しいなぁ。幌のパッキンひび割れたりしないのかな?
まずは、トゥールコックの某高級マンション前に駐車中の赤い車。200メートル離れた場所から眺めた一瞬、ほんの一瞬フェラーリかと思いましたが、近づくと何か変な車でした。フロントガラスの上には「売ります」の広告。売ってるのか……。もう半年以上売れてないようですが。
続いては、リバーサイドのフェリー乗り場で発見したスーパーカー。こちらも一瞬、ほんの一瞬、ゼロコンマ三秒ほどF40かと錯覚しましたが、やっぱり変な車でした。ベースは何かと考えを巡らせましたが、もはや原型など全く留めてません。
ステッカーの量からしても、オーナーの尋常ではない怨念を感じます。パチパチ写真を撮ってたら、25歳くらいの痩せメガネが近づいてきました。
「写真撮ってるの? これ、実は僕の車なんだ」
風が吹いたら飛んで行きそうな彼。もっとこう、徳大寺さんを狂わせたような人物を想像していただけに意外でした。ちょっと、車の横に立ってもらえませんかね? とお願いしたところ。
「いや、いいよ……」
とひとこと。去っていきました。心打たれる謙虚っぷり。この性格でこの車を運転するのは生半可じゃないような……。
お次は中心部の閑散とした住宅地で捕獲した一台。神奈川トヨタのステッカーが貼りっぱなしのコレもすごかった。今にもトランクからピエロか何か飛び出てきそうな──。
運転席側のウィンドゥには埃が積もって、指で「I love 〜判別不可能」とイタズラ書きされちゃってます。
フロントは科学忍者隊といった雰囲気。フロントガラスの下の方にちょこんと見えるプレイボーイのステッカーも痛いですが、そんなことより、上面にドバーン!と貼られた「おおかみ男」という特大ステッカーが、今日あった嫌なこと全てを忘れさせてくれます。
最後は番外編。シハヌークビルの住宅街に停まっていたBMW風の謎車。これはもう釣り目というより邪眼です。うっかり前に立ったら舌が出てきて喰われちゃいそう。でもどの車も個性的でステキです。そういうことにしておきましょう。
(文・クーロン黒沢)
プノンペン・カーライフ対談