働く緊急車両 : 密着24時! ロシア病院救急隊を追ってみた!

プノンペンを代表する巨大病院、通称「ロシア病院」の救急隊に夜間密着してみました!

プノンペン市内の救急隊は大きくわけて国立病院系・私立病院系の二系統に別れており、私立系の救急車は概ね有料です。

国立病院の救急車は呼ばなければ来ませんが、私立病院の救急車は事故の多い場所に予め待機したり、巡回しており、患者の容態次第でぼったくり価格を提示したりもするようです(数百ドル請求されたケースも)。

今回お邪魔したのは、国立クメール・ソビエト友好病院。あの「ソ連」の協力で作られた大病院。今や正式名称で呼ぶ者はあまりおらず、地元では「ロシア病院」という通称です。

ここには緊急患者や怪我人の輸送にあたる救急隊が24時間体制で待機しており、SBSI(認定NPO法人サイド・バイ・サイド・インターナショナル)から寄贈された三台の救急車を擁しています。参考までに、すべて日本から寄贈された車両で、無料で搬送してもらえます。

今回、シックスサマナ取材班は週のうち最も事故や事件が多い、週末夜間の救急活動に同行させていただきました。

金曜日の午後6時過ぎ、ロシア病院の救急隊詰所を訪問。詰所には6名程の救急隊員が待機。差し入れのパンを食べつつ無線司令を待っています。

腹をさすってため息をつく我々を見た隊員が、菓子パンと、なぜか日本から寄贈された缶詰をひとつくれました。見ると「アキモトのおいしい備蓄食。2009年スペースシャトルに積載」と書かれています。ありがたい限りですが、非常時ではないので菓子パンのみ頂きました。

待つこと約2時間。最初の無線が入ります。数キロ離れた大通りで事故発生! すかさず出動です。我々はバイクで後ろを追いかけます。

無線連絡から現場到着までの所要時間は約5分。早い……。現場には横転したバイクと血まみれの女性二名。幸い命に別状はないようです。群がる野次馬をかきわけ、救急車に載せて病院へ戻ります。

帰還から1時間半ほどして二度目の無線連絡。今度はロシア病院にほど近い、ステミエンチャイ橋近くで行き倒れていたボロボロの男性を収容。病院に戻ったと思いきや立て続けにまた出動!。しかし今回は誤報だったようです。よくあるみたい。

記録簿によれば、週末の晩は平均5〜6回の出動。病院に戻るや、隊員たちは深夜の出動に向け仮眠に入ります。短い取材でしたが、プノンペンの救急医療体制、想像よりもまともでした!
(協力・SBSI:取材・クーロン黒沢&石川正頼)

Khmer Soviet Friendship Hospital

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