カンボジアの素:カンボジアの音楽
この記事は90年代にミニコミとして出版したガイドブック「カンボジアの素」に書いた記事を復刻したものです。後年、情報を追記したりしていますが、全体的に古すぎ、記述が攻撃的で、正確ではありませんので、読んで懐かしむ程度でお願い致します。
タイ程、町中に音楽が溢れていないが、洋楽はもとより、中国、香港、タイなどのテープやCDを買う事が出来る。CDは1$程度で、カセットテープはもっともっと安い。
カラオケもはやっているようで、カラオケビデオ等も売っている。楽曲的にはタイポップスの流れとチャイナ系の旋律の複合といった感じで、別段オリジナリティがあるとは思えないものが多い。僕は、ネパール
のロックバンドにちょっとビビった事があったので、カンボジアのロック系なぞないかと探しまわったが、それらしい物は発見できなかった。
カンボジアの音楽としては、古典的な民族音楽と、映画音楽、カラオケ用ポップス、サックスなどのジャズ系にわけられると思う。僕は、中でも映画音楽をお薦めしたい。
「ムービーミュージック!」とか叫べば適当に店員の趣味で選んでくれる。関係ないが、映画音楽といえば、やっぱりヒンドゥ映画のサウンドトラックが素晴らしい。一時期ハマりまくっていた。安っぽいシンセと生楽器のセッションが主で、シタールとシンセの絡みにいたく感動したものだ。
ちなみに、カンボジアには録音ミックススタジオなどは存在しないらしく、その殆どはライブ録音か、アメリカで録音されたりしている様だ。もっとも売られている製品の殆どはそこらのダブルデッキでダビングしてジャケットはカラーコピーというものなので音質などめちゃくちゃの物が多い。なんか知らないがボーカルに異様な程リバーブかけてあったり、曲全体にリバーブかけたりしてるのはカンボジア人の趣味なのだろうか。
FMラジオ曲は2局あって、一つはジャズ、もう一つはシンセも取り入れたようなポップス系民族音楽である。結構イイのでラジオを持っていくのもお薦め。
テレビのチャンネルも結構あり、ベトナムの放送や、フランスの放送まで紛れ込んでいて楽しい。僕がいた時は、ちょうど日本でアジア大会とかいうスポーツイベントが行われていたのだが、カンボジアの人々が日本からの映像を熱心に見ている姿はチョッピリ感動であった。(1994・下条)
いまでは何でもありです。FM局も腐るほどあり、DVDもタイより充実している(海賊版)。ローカル音楽のジャンルも幅広くなり、海外で流行ってそうなものを理解できないセンスでアレンジしているので(ジャケット含め)興味のある人は町のCDショップをのぞくと面白い。短時間ですませるなら、ソリヤデパートの5階(多分)がおすすめ。(2004)
(文・アジアの素編集部)