カンボジアの素:バイクタクシー
この記事は90年代にミニコミとして出版したガイドブック「カンボジアの素」に書いた記事を復刻したものです。後年、情報を追記したりしていますが、全体的に古すぎ、記述が攻撃的で、正確ではありませんので、読んで懐かしむ程度でお願い致します。
旅行者がプノンペン市内で一番お世話になるのがバイクタクシーである。5$も出せば一日中ガイドもしてくれる。以前は英語を理解する者が少なかった様だが、最近では英語を話す者も多くなり、あまり不自由はしないだろう。
ただ、ある程度、外人には外人なりの値段をふっかけてくるのは仕方の無い事だ。料金は事前交渉。近距離移動ならば500から1000リエル程度で何処へでも行ってくれるはずなのでボラれないよう注意。
ちなみに、バイクは何人乗っても値段は一緒。スーパーカブなら大人4人までへっちゃらだ。ただしケツのデカい奴とは組まない事。(2004)
英語の流暢なバイタクは、精神が英語力に比例して腐ってる場合が多い。キャピトルゲストハウス周辺で客待ちしているバイタクは特にその傾向が強い。バイタクよりも薬の売買が本業だったりする。借金の申し込みも日常茶飯事。とりあえず言ってみよう的に「マイフレンド。金をかしてくれないか」と来るが、貸しても戻ってこないので嫌ならはっきり言うこと。
流しで人のよさそうなバイタクを拾った場合は、行き先を告げるなり、そのつど指さしたりしながら料金交渉無しでドライブし、目的地で距離に応じた額を手渡すという方法もある。相場が大体分かっていれば、ベトナムと違ってもめることはまずない。
凄く近距離500。あとは5分ごとに500リエル追加するような感じ(目安)。降りて金を渡して、相手の不満そうな顔を見て判断して、勘定に500リエル札を一枚追加するなり逃げるなり、まあ適当にやってください。ただ、観光バイタクだとこの限りではないので注意。バイタクは無口が基本。ぺらぺら喋る奴は要警戒。(2004)
夜遊びスポットを徘徊した後、宿に戻るためバイクタクシ-を止め、キャピトルと言うと、奴は何も言わず、とにかく後ろに乗れとという態度をとった。
一応1ドルでいいかと確認すると、ウンウンとうなずくのでうしろにまたがる。この運転手、終始無言なので場所が解っているのかどうか不安だったが信用する事にした。
バイクはモニボン通りを猛スピ-ドで走り、もうすぐキャピトルに曲がる交差点……と思いきや、相変わらずスピ-ドを落とす気配がないどころか、通り過ぎてしまった。慌てて「ストップ!」と叫ぶが止まるどころか完全無視。英語が通じないのかと思い、体を揺らしてキャピトルの方角を指差すと運転手はニヤリと笑った。げげげ……。
まずい。飛び降りて逃げようと思ったが、信号が作動していないためスピ-ドが落ちる気配がない。市内からみるみる離れて行く。
バイクはモニボン通りから外れ左へ曲がった。しばらく進み、舗装されていない道に入りかけ、スピ-ドが落ちた時、バイクから飛び下りて近くの建物の裏に隠れた(小柄で助かった)。バイクの運転手は周りを探し始めたが、しばらくすると、あきらめて帰って行った。
果たして、ここは何処なんだ……。小道を走って大通りにでて、通りがかった人の良さそうなシクロを捕まえ、なんとかキャピトルまでたどり着いた。ホッとしたのも束の間、キャピトルの前に例の運転手が先回りしていてるではないか。てめえやっぱり場所知ってたんだな!。なんて野郎だ。私はキャピトルの隣にあった快楽旅社へ隠れるように入っていった。(1994・野口)
危なそうなバイタクとそうでないバイタク。どうやって見分ければいいのでしょう。一番いいのは顔です。わかりやすい国なので、顔に性格があらわれます。極悪顔をしていて実はいいやつ。というのはあまりいません。(2004)
夜は真剣に気をつけましょう。悪徳軍人の検問はなくなりましたが、そのかわり不良少年がマジで怖いです。特に夜、人気のない通りを少年がニケツして二台で並列にバイク走らせてるのを見たら、結構やばい状況だと思ってください。逃げられたら逃げたほうがいいかも。少なくとも夜8時以降の単独行動はリスクあります。(2004)
2009年現在、相場は2割-3割増しといったところでしょうか。(2009)
(文・アジアの素編集部