カンボジアの素:映画館
この記事は90年代にミニコミとして出版したガイドブック「カンボジアの素」に書いた記事を復刻したものです。後年、情報を追記したりしていますが、全体的に古すぎ、記述が攻撃的で、正確ではありませんので、読んで懐かしむ程度でお願い致します。
カンボジアには映画館が沢山あると聞いたが、発見できたのはモニボン通り沿いの2箇所だけ。その二つのうちの大きい方に入ってみた。
結構繁盛しているようで、子供連れの親子やヤングでナウいやつとかが沢山いる。やっぱり大衆娯楽の王様といえば映画だよね。ボクは映画館で映画を見るのは日本で「E.T」をみた時以来だ。
規模としては300席くらいで、客の殆どは二階席を求めて階段をかけのぼる。一日に8時、2時、4時、6時と四回の上映。一人2500リエルで国際学生証を見せても無駄だ。クーラーは効いていない。
題名はうろ覚えだが、「王子と17人の女」とかいう感じの作品で、目ン玉をえぐり取ったりするシーンとか子供を食べようと相談するシーンがあったりで結構グロい。しかし、白馬にまたがった王子が天空にトンでいったりとかのSFXにはチョッピリ驚いた。
しかも、これが20年前の作品だというのだから……。つーか、どうして20年前の作品を上映してるのか?(かける映画がないから)。
クメール語はわからないので、バイクタクシーの兄チャンを連れて入り、内容を英語で訳してもらいながら見たのでなんとか楽しめたが、そうでもしない限り、かなり退屈だっただろう。それはそうと、少年のチンチンが画面に大写しになった時の場内の歓声にはこっちもつられて笑ってしまった。子供のチンチンは皆を幸せにする効果があるんスね。知らなかった。(1994・下条)
映画ブームはその後下火になって、町の映画館は軒並みつぶれたわけですが、2002年秋くらいから何故か空前の映画ブームがはじまった!!。その後、つぶれた映画館がゾンビのようによみがえり、町のあちこちに次々と新しい映画館がオープンしている。
この国の特性として、一旦流行ると皆同じ商売をはじめ、そのあと飽きられて共倒れというパターンが多いので、なりゆきを静かに見守りたい。いまでは新しい作品も封切られてます。(2004)
(文・アジアの素編集部)