ちょっといい話 : カンボジアビザで恐怖におののく男を救ってみた

国境でもらえるツーリストビザに意外な落とし穴! 本因坊が裏技で困り果てた旅行者を救う!

先日、顔見知りの日本人が血相変えて飛んできました。顔色の悪い彼のパスポートをチェックすると……。

カンボジアの観光ビザは通常一ヶ月間有効、プラス一ヶ月間の延長が可能です。その日本人は元々ビザを延長する予定だったので、一ヶ月間の滞在期限が切れる直前、そのへんの旅行代理店でビザ延長を申請。そのとき、驚愕の事実を知ることになりました。

大判シールの滞在ビザには確かに「一ヶ月間有効」と記されていますが、後から押された入国スタンプをよく見ると「二週間有効」と記されています。これを見た旅行代理店のお姉ちゃん、冷たく言い放ちました。

「あんた今、オーバーステイしてる状態よ。これ、うちじゃ何とも出来ない。早くこの国を出なさい」

なんだそりゃ……。慌ててプノンペン空港の向かいにあるイミグレーションオフィスへ。賄賂でも何でも払うから、あわよくばビザ延長できませんかと遠まわしに訊ねると──。ヘイヘイ、まいどあり! と来るかと思いきやさにあらず。相手はこの国で珍しい(失礼)正義感溢れる真面目な人だったようで、反対に説教されてしまう始末。

「ダメダメ。手続はできません。お金で何とか? ダメ!ダメ! さっさと出国して、空港のイミグレ、または国境で所定の罰金を支払うこと。ハイ次!」

てな具合で、けんもほろろ。

正義の役人によると、オーバーステイは一日あたり5ドルの罰金。12日間オーバーの彼は、今すぐ出国したとしても合計60ドル也の罰金。い、痛い……。スタンプのために高い飛行機代払ってバンコク行くのは嫌だし、かといってバスに揺られてベトナム国境まで4時間。タイ国境だと8時間──これも辛い。

なんとかならないか? と泣きつかれた私は、シックスサマナを毎日欠かさずチェックし、内容がどうであれ「いいね!」ボタンを押すよう誓わせた後、仕事で利用していたモニヴォン通りの某旅行代理店に彼をいざないました。おずおずとパスポートを渡すと、担当曰く、

「あ、これ。イミグレーションの間違いですね。うちは何かと関係が深いので訂正できます。料金は8ドルですけど」

あっさり解決。何とまあ良心的。もっとぼったくればいいのに──。ていうか、寿司でもねだれば良かった……。コミッションくれませんか? と喉まで出かかりましたが、人間が卑しくなるような気がして言葉を飲み込みました。不可能が可能になる町、プノンペン。皆さんも決してあきらめずに!
(文・本因坊)



“ちょっといい話 : カンボジアビザで恐怖におののく男を救ってみた” への1件のコメント

  1. エシロ タク丸 より:

    今回も、勉強になりました。  が、やはり そのカンボジアも好きにはなれなそうです(´・_・`;)。。

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