日本の結核検診車が海を渡ってカンボジアに到着!
結核に国境はありません! 我が国で使われなくなった結核検診車がカンボジアで働きます!
2013年11月28日。カンボジア結核予防会の建物で、日本結核予防会から贈られた結核検診車の贈呈式が行なわれました。
贈呈式にはカンボジア側からマム・ブンヘン保健大臣、日本側からは井崎JICA事務所長など、身が引き締まる出席者のほか、両国結核予防会の面々などが出席しました。
とても意義のある素晴らしい式典ではあるのですが、出席者は若干地味で、地元メディアの注目度も今ひとつ。そこで今回、結核に怯えるカンボジアの人々に捧げるべく、海を渡った結核検診車のちょっとした逸話を皆様だけにお届けします。
今回、カンボジアに贈呈された結核検診車、正直見た目は微妙です……。はっきり言って「日本のお下がり」感がバリバリ。ですがしか~し! 内部はほとんどリノベーション済み。最新設備とまではいきませんが、第一線で十分使える機材に換装済みです!
生々しい話ですが、リニューアルに費やされた費用も相当なもの。奥様!車内を見学したマム・ブン ヘン保健大臣もご満悦でしたよ。
そんな即戦力の検診車ですから活躍の場も少なくありません。既に地方の農村部に住む何百人もの人々を検診済。余談ですが、検診にあたる技術者もJICAが手塩にかけて育て上げたカンボジア人スタッフです。まさにハード・ソフト面、共に日本のバックアップを受けての結核検診事業。素晴らしいです。拙者、感動の涙がこみ上げて参りました。
カンボジアの結核感染率は、世界的に見てもまだ高く、患者の早期発見・早期治療が急務とされています。近年、急速に発展を遂げる都市部では工場労働者が増え、しかも彼らは一部屋に数人での共同生活がデフォルト。集団感染が危惧されています。
贈呈された検診車は、主に農村部のほか、工場でも検診活動を行いつつ、カンボジアの結核医療に貢献していくそうです。
(文・木村五兵衛 協力・サイドバイサイドインターナショナル)