タイ北部にも全体主義の波が‥‥確実にヒトラーの思想が浸透しつつあるのか!

s-0093 二日前から久々のチェンマイ。バンコクから夜行バスで旅気分を満喫しつつ、持病の腰痛を一段と悪化させながら到着。某ホテルで仮眠してから宇宙堂へ。

 宇宙堂とはタイ北部でその名を知られているバックパッカー食堂。でも最近は定住親父軍の侵略にさらされ、バックパッカーの姿はあまり見ないと評判の店である。いっぺん行ってみたいとかねてから夢見ていた次第でありまして。

 チェンマイには何度か来たことがあるが、宇宙堂は初めて。焚き火の炎に照らされながらうっすら汗ばみ、仮面をつけた男たちからレイプされる危険を重々承知しながらも、おずおずと踊りの輪に参加するナイジェリアの黒人少女みたいな心境で地図を見ながら裏路地を歩き、たどり着いたときには、想像していたよりも広くて落ち着いた店内に衝撃を受けた。で、全然期待してなかった料理もそれなりに美味しくて二度も衝撃を受けました。

 少なくともこれがプノンペンなら、下手すると高級レストランに分類されてしまうかも……。その程度の味覚しかないのか! と怒鳴られればそれまでだ。

 夕方の宇宙堂では、おそらく毎日繰り広げられているだろう親父たちの将棋大会が行われており、壁には「店売ります。吾郎」という謎の書き込みもあったりして、本棚に並んだゴルゴ13の背表紙を眺めながら「来た甲斐はあった」と自分に言い聞かせた。

 翌々日、チェンセーンのオピウム博物館に向かう途中で道を間違え、廃屋の前でUターンしようとしたら、ボロボロに崩れた壁のあたりから黒い気が発せられているではないか‥‥。

 見るとネオナチの人が書きなぐった落書きが。こんなにのどかなタイの田舎にも、確実にヒトラーの思想が浸透しつつあるのか! と感慨深い思いを味わう。で、奥で大きな鍵十字の書き込みも発見するが、鍵十字の横には別の人が描いたチンコの落書きが‥‥。



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