DJ北林の近況:野犬に襲われたらしい
タイ・カンボジアでは、犬どもがそこら中で幅をきかせている。ちなみにお隣のラオスは知らない、ミャンマー・ベトナムではあまり見かけず、中国は皆無だ(喰われちゃう?)。
カンボジアではほとんどの家が番犬を飼っている。それがまた揃いも揃ってしつけが悪く、ほとんど野放し状態。ちょっと金がある家は見栄を張って大型犬を飼う傾向があり、早朝など体重40キロくらいのジャーマン・シェパードがヨダレを垂らしながらノーリードで路地裏を駆け抜け、ゴミ集めの人々に襲いかかる光景をしばしば目にする。
飼い主たちは自分の犬が何をしようと眼中になく、吠えようが噛もうが鼻くそほじりながら考え事に夢中である。昼は犬たちが暑さでダレているため安全だが、カンボジアで明け方・夕暮れ時に町を散歩するつもりなら、護身用に手頃な棍棒を一本持参するべきだろう。狂犬病の注射どころか、狂犬病の存在すら知らない医者も珍しくない。くわばらくわばら。
かわってタイの犬は栄養がいいせいか、概ね穏やかだ。写真はスクンビット・ソイ11のセブンイレブン前を縄張りにする肥満犬。太りすぎて歩くこともままならず、朝から晩までひたすら惰眠を貪っている……。
と、思いきや、バンコク在住の友人から緊急連絡が!
「DJが犬に噛まれた!」
深夜、ゴーゴーバーを出て自宅のあるソイを徒歩で帰宅途中、いきなり地元の狂犬に背後から足を噛まれたDJ北林。狂犬病の注射代1200バーツ。10パーツのバイタクに乗ってれば、こんなことには……。
「畜生! 俺を噛みやがった犬、千バーツ賞金かけたら保健所の奴らが捕まえてぶっ殺してくれるかな? 保健所は確かタイ語でサタニーアナマイ。サタニーアナマイ、サタニーアナマイ……」
うわごとのようにサタニーアナマイを繰り返すDJ。
「それとも焼き鳥にネコイラズ入れて皆殺しにするか! 畜生!」
──えっ? でも、噛んだ犬は一匹でしょ?
「そんなもん集団責任だ!」
──連帯責任ですか?
「そうそう。それだ!」
果たしてDJはどう出たのか? 想像できる最悪の展開がその答えです。
(文・クーロン黒沢)