カンボジアの素:携帯電話

この記事は90年代にミニコミとして出版したガイドブック「カンボジアの素」に書いた記事を復刻したものです。後年、情報を追記したりしていますが、全体的に古すぎ、記述が攻撃的で、正確ではありませんので、読んで懐かしむ程度でお願い致します。

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携帯電話。カンボジア人にとってはステイタス。長期滞在組にもステイタス。月給200ドルの奴が600ドルのノキア(最新型)を持ち歩いてるおかしな国。まあ、カンボジアだけじゃないですけど。

ミャンマーあたりだと車が買えるくらいの値段がついていますが、カンボジアではタダ同然。香港やシンガポールあたりから最新機種がガンガン入ってくるので、携帯で見栄をはろうと思うと、金がかかって仕方ない。でも、携帯で見栄をはれるのが凄いところで、高級なのをさりげなく持っているとレストランとかでも扱いが明らかに違う……。

ここの奴って、車か服装か携帯のいずれかでしか人を見てないってのがわかります。

カンボジアはタイ・香港などと同じGSM方式。日本のローミングも使えるそうだけど、長くいるなら買ってしまったほうが安くつく。GSMの携帯なら、新品で100ドルもあれば買えます。GSM携帯は日本のとチョト違い、シムカードというものを入れると、その番号になる。たとえば、A君の携帯からシムカードを抜いて、B君の携帯のシムカードを入れると、B君の携帯がA君の電話番号になりんす。

値段はタイよりも若干安い。で、vodafoneがプロモーションの安値で売っているモトローラのGSMを日本で買って、バンコクのマーブンクロンで 250バーツ払ってシムロックを解除してもらうと、タイやカンボジアで売っているシムカードがそのまま使える。ので、ちょっと前までバックパッカーが vodafoneの携帯をタイで売って利ざやを稼ぐというセコい商売が日常的に行われていた(5000円くらい儲かる)。

プノンペンで携帯を買うときは、きれいな中古を新品と偽ってつかまされないよう、付属品などを良くチェックすること。普及モデルなら大体100ドルから 200ドル。中古を買い取ってくれるので携帯泥棒は後をたたない。よって、中古には盗品もある。本当に安いのが欲しければ、インターコンチネンタルホテルの近くにある、通称「泥棒市場」で買うのもよし。

携帯電話会社は012(モビテル)と011(シナワトラ)と016(サマート)の三社。最も普及してるのが012で、日本で言うところのNTTドコモ。 011や016から012にかけると、繋がりにくいし通話料金も高い。反対もまたしかり。カバーエリアは五十歩百歩である。

シムカードは何処の携帯ショップでも扱ってるが、最近は外国人に売ってくれなくなった。日本と同じで犯罪に使われるケースが多く、どうしても欲しければ電話会社で直接登録するか、もぐりで未登録のシムカードを売ってる店から入手する。値段は15ドル以内といったところ。

通話料金はプリペイドカードで払う。道端で売ってるので入手は簡単。ただし、012のプリペイドカードが011や016で使えないのは当たり前。5ドルとか10ドルとか20ドルのカードを買い、裏面の銀色部分をつめでこすって出てきた数字を、登録専用のテレフォンサービスに電話してボタン入力する。

携帯を買ったら、埃や汚れがつかないよう、透明のフィルムを貼るサービスを利用しよう。電話会社がやってるサービスではなく、あくまでも民間のすきま産業である。なぜか小学校とか中学校の前に行くと、小さな屋台でフィルムをはっている日焼けした親父がいる。こいつだ。

携帯ひとつで数千リエル払うと、おやじが粘着質の透明フィルムで全体を覆ってくれる。半年に一回くらい貼りかえれば、汚くなっても剥がすと新品同様。カンボジアならではの手工芸だが、たまに下手な奴に当たるとフィルムを切り取る際、カッターで携帯を傷だらけにしてくれるので要注意。
(文・アジアの素編集部)



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