ベトナムの教育番組が恐ろしい
久しぶりですが、しばらくバンコクにいました。随分長い滞在でした。
プノンペンに戻ってテレビをつけると、何故かベトナムの教育番組が始まった。変な帽子をかぶったお兄さんがペラペラの薄い板とロウソクとビニール袋を用意する。
まず板をX字に組み合わせ、真中にローソクを10本ほど立てる。まだなにを作るのか良くわからない。で、板をガムテープでビニール袋にくっつけた‥‥。つまり小さな気球もどきである。収録はなぜか市街地の屋上で行われていた。
気球もどきを作って満足そうなお兄さんは、突然ライターを取り出すとローソクに火をつけた。ローソクとはいえ、流石に10本も密集してると燃え方も威勢がいい‥‥が、重量があり過ぎてなんだか危なっかしい。本当にこれ浮くのか!? と、突然横からお姉さんが登場、二人はメラメラ燃えさかるそれを、ニコニコ顔で屋上から放り投げた!!
普通、ここで飛んでいく気球が映し出されるところだが、恐らく失敗したのだろう。ミニ気球の完成映像はたったの二秒。飛んでいる映像は一切放送されず、それまで主役だった気球の存在自体が無かったかの如く、二人は笑いながら「みんなも作ってみてねー(推測)」と叫んで、いきなりスタッフロール。
そのへんのガキがこれ見て片っ端から真似して、燃える火の玉をあちこちの窓から落っことしたら、恐らく首都は大パニックになるだろうよ‥‥。でも、後先全く考えない子供向け番組には畏敬の念を感じざるをえない。共産党は偉大である。
(文・クーロン黒沢)