自由業が見た悪夢

s-0122こんな夢を見た。 えー。床が腐って困っていると、修理工(カンボジア人)が現れたので「痛んだ床を修理してくれ」と頼んだ。男が床板をはがすと六百年前(推定)の地下道が現れた。驚きました。修理工も興奮していた。

懐中電灯片手にゆっくり石段を下ってゆくと、先頭を歩いていた修理工の足に壁の穴から飛び出した槍が突き刺さった。男はグエッと叫んでひっくり返った。罠だ!

わたしは冷静に槍を引き抜いてやった。男が情けない声を上げる。それをたしなめようとするも、たしなめるクメール語が思い浮かばない。で、うす暗い地下道の石段に黒い液体が飛び散る。

男に肩を貸してやりながら更に進むと、大きな錠前のついた木の観音扉が照らし出された。なにかある‥‥。

生半可なピッキングで開かないので上からガソリンを持ってきてかけて扉ごと燃やした。不思議にも煙は出なかったし、息苦しさもない。
焼け落ちた扉の奥は大きな礼拝堂になっていて、突き当たりにある石の祭壇の上には、むき出しの札束がひとかかえ置いてあった。遂に俺も宝を見つけたか。と手に取ると、カンボジアの昔の札だった。

腹が立ったので札束を手で払うと、金の延べ棒らしきものが三本輝いている。そのとき、修理工が横から手を伸ばして棒を二本奪い取り、足から血を流しながら言った。

これは多分、六百年前の遺跡だろう。私が情報を漏らしたら、ここは観光名所になって、あんたは立ち退かなくてはならない。おまけにこの宝も政府のものだ。だまっててやるから二本よこせ」──と。

男の言うことは真実だ。だけど奴は手負い。ここで口を封じておいたほうがいいのか……。しかし、死体を何処に隠せばいいのか……。ぶち抜いた床は誰が修理するのか……。金の棒は何処で処分しようか……。考えて行動に移そうとしたそのとき、ハッと目が覚めた。

全部白黒映像でした。さてと、忘れないようにメモする。外は土砂降りだった。時計を見ると午後三時だった。自己嫌悪。
(文・クーロン黒沢)



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