カンボジアの素:台湾カフェ

この記事は90年代にミニコミとして出版したガイドブック「カンボジアの素」に書いた記事を復刻したものです。後年、情報を追記したりしていますが、全体的に古すぎ、記述が攻撃的で、正確ではありませんので、読んで懐かしむ程度でお願い致します。

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通称「台湾カフェ」と呼ばれているのは、モニボン通り沿い。ラッキーバーガー近く、日本食レストランもどき「銀河」の隣にある喫茶店。

本当の名前は「彩色なんとか」と言うが、誰も覚えていない。エアコンかかってて、ウェイトレスはミニスカート&生足。カンボジアの生足もなかなか良いものです。因みに従業員の大多数は中国語を操ります。ハオ。

この店の名物は「つぶつぶジュース」。ミルク状の粉っぽい飲み物に、プラス500リエルくらい払うとゼラチン質の玉っころが沢山入ってきます。これを極太ストローで吸い込むと、喉越しなめらか、一食くらい抜いても何とかがんばれそうな力が沸いてくる……。

飯類もジュース類も点心類もちょっと高めですが、内装に金をかけていて、便所もきれい。僕は自宅以外でうんこをするのはよほどの緊急事態以外、避けているのですが、ここならば「してもいいかな?」と思えます。で、味もまあまあ。

店内には雑誌類(台湾直輸入の古雑誌)とか、ゲーム類が置いてある。夕方あたりは地元のガキがたむろしていて金をかけてゲームをしている。あまり目をあわせると日本のガキ並みに危険なので、目をそらしつつ観察するようにしよう。うるさいです。

ケバい女も多い(客)。いかにも商売女です風やら、いいとこの娘風なのから、得体の知れないスケバングループまで、ガンの飛ばしあいをしています。化粧が濃く、態度のすげえ悪い女グループは本業がヒモらしき精一杯悪ぶった兄ちゃんと視線を交換しあい、気があえばそのままルテホにしけこむことも。観察しているとパシらされている少女もいて、世界各国なにも変わんねえな。と実感できます。

殺人犯みたいな中国人の男はでかい声で話し、携帯電話を見せびらかし、世界は俺のもんだ。くらいの勢いでえばり、カンボジア人の不良グループも足しげく出入りすると思いきや、良家の子女(本当はこれが一番タチ悪い)も高級車でお茶を飲みにくる世界一落ち着かない喫茶店。それが台湾カフェである。朝から深夜までやっているが、常に混雑しているので注意しよう。

速報・彩色巴里オーナー射殺

プノンペン・モニボン通りの元祖つぶつぶ台湾カフェ「彩色巴里」。

この国ではエアコンを効かせた庶民向け喫茶店のはしり。かつ、台湾風のつぶつぶジュース(ゼラチン質のボールが入っている甘すぎミルク飲料)のブームを作った店として、日頃から不良少年・少女、こまいトランプ博打愛好者のたまり場としても繁盛していた────。

7月6日深夜、カブに乗った二人組の男が来店。ひとりは店内に入り、コーヒーを注文(経費で落ちるのだろうか……)。で、飲み終わって便所に歩きがてら、いきなり懐から銃を取り出すと、席で帳簿をつけていたオーナー(34歳の台湾人)に三発の銃弾をブチ込み、外で待機していた仲間のバイクに飛び乗って逃走。以後、行方不明。

オーナーはヒットマンが銃を出した瞬間、身をかわそうとしたそうだが、三発のうち一発が喉に命中。カルメット病院に運ばれたが間もなく死亡。警察は怨恨による殺し屋の犯行とみて、捜査しているのかどうなのか、たぶん犯人は見つからないような気がします。

というわけでこの店、飯が安くてまあまあうまいので、一日三回通っていた時期もありましたが、最近ご無沙汰でした。虫の知らせかなあ……。(2005・K)
(文・アジアの素編集部)



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