カンボジアの素:強盗・ひったくり

この記事は90年代にミニコミとして出版したガイドブック「カンボジアの素」に書いた記事を復刻したものです。後年、情報を追記したりしていますが、全体的に古すぎ、記述が攻撃的で、正確ではありませんので、読んで懐かしむ程度でお願い致します。

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私は二回ほど、強盗に襲われた経験がある。一度目は深夜の63ストリート。自業自得ですな。正月歩いていたら、カブ三台にとりかこまれ「マネーマネー」といわれた。

でも、べろべろに泥酔していたので走って逃げた。「ワープ1、ワープ2」とつぶやきながら(気分はカーク船長)。ドクター・マッコイはいなかったが、なぜか逃亡成功。向こうも深追いする気にならなかったのか、追ってこなかった。但しこれは古き良き時代の話。

二度目は深夜の暗い道。バイクで走っていたら、後ろからカブ二台に追われた。超おせーカブなので余裕でふりきって「俺のスロットルさばきも馬鹿にしたもんじゃねえな」と自画自賛。油断しまくって家の前でバイクを降りたら追いつかれて、「マネーマネー」と拳銃を突きつけられました。

このときも「泥棒!(カンボジア語ではチャオ。イタリア式の挨拶ではない)」と叫ぶと近所から人が出てきて、カブ二台(4人だった)は逃走。なにもとられず済んだ。

もっとも、ビール瓶で意味もなく顔面を殴られたり、バイクごと蹴り倒されたり、暗闇でリンチされた被害者もいる。強盗の多くは武装しているので銃を突きつけられたら決してファイティングポーズをとったりせず、従順にしたが身のためである。

二三発殴られる可能性はあれど、変な場所を殴られたり撃たれたりした挙句、一生クルクルパーよりはましだろう。

普段から貴重品を持ち歩かない心構えも大切である。大金をやりとりするときは(ないだろうけど)タクシーを雇うなりなんなり、自分で自分を防衛することが大切。

続いて多いのは携帯電話の盗難。カンボジアの携帯はGSM方式なので、中のカードを取り替えれば機械の転売は簡単。なので携帯泥棒があとをたたない。携帯泥棒は強盗と違い、真昼間から平然と仕事をしているので周りが明るいからといって油断は禁物である。

(例)夕方、モニボン通りでさっき買ったばかりの携帯を自慢気にいじくっていたMさんは、いじってる最中うしろから来たバイクの男に電話をひったくられてしまった。

腰につけるタイプの携帯ホルスターを使っている人は、ケースごとかっぱらわれる可能性大。携帯は決して腰にはつけず、ポケットの中に入れよう(後ろポケットは危険)。かばんに入れてるとかばんごと持ってかれるし、ひもで首から下げてたりすると、バイクでひったくられた瞬間はずれてくれればいいが、はずれなかった場合は市中引き回しの刑。悲惨である。

携帯電話ひったくり犯のほとんどは、ちょっと速いバイク(110ccクラスのカブ)に二人乗りでウロウロしている(後部座席の男がひったくり担当)ので、バイクや徒歩で行動する人は、車道の近くで電話をいじくらないこと。道路の真ん中でメールを打ったないこと。携帯を見せびらかさないこと。あんまり高級な機種を買わないこと……。万一盗まれたときのダメージを少なくするため、プリペイド式プランにしているのなら、いっぺんに50ドルとか100ドルとか入金せず、5ドル10ドルずつせこせこ入金するようにしたい。
(2004・K)
(文・アジアの素編集部)



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