ベトナム紀行 : 愛の逃避行、チャウドックふたり旅

たまの休日どこ行きます? シェムリアップ? シハヌークビル? それともバンコク、ホーチミンで命の洗濯? 次の休みはちょっぴり違う場所に行きませんか?

メコン川支流に面したベトナム最果ての田舎町・チャウドック。

メコンデルタでは珍しい小山の山頂からは、地平線の彼方まで広がる雄大な水田を眺めることができます。ちなみにこの山、地元では信仰の対象となっていて、年間を通じ多くのベトナム人が全国から参拝にやって来ます。なので小さな町にも関わらず100軒余りのゲストハウスがあり、宿探しはラクチンです。

近頃では、プノンペン〜チャウドック〜ホーチミンを結ぶバスルートも充実。以前は野生のパンダ並みに珍しかった外国人もよく目にします。チャム族の村、国立自然公園ツアーなどの現地ツアーもあり。気軽に行けるベトナムの田舎町として、充実した旅が満喫できそうですね!

……と、無責任にオススメしてはみましたが、実際チャウドックをうろついている外国人を捕まえて来訪の目的を訊ねると、十人中八人は観光ではなく「彼女の実家訪問」が真の理由だったりもします。

カンボジア娘に食傷気味な駐在のお父さん。たまたま接待で利用した高級カラオケ。そこで目にした、猫みたいな謎の言語をニャーニョー操る真っ白な肌のスレンダーな女性……。出自をきけば大抵はチャウドック、ロンセンなど、メコンデルタから出稼ぎにやって来たベトナム人です。

「カンボジア・ベトナムのハーフだから、言葉に不自由しない」
「景気のいい中国人・韓国人がいると聞いて」
「ホーチミンは都会すぎて、働くのが怖いの……」

理由はいろいろ。人生いろいろ。異国の暗がりで健気に生きるベトナム娘たち。そんな蝶々に魅せられて、いつの間にかズブズブの底なし沼にはまり、気がつけば彼女とふたりで里帰り。鬼が出るか蛇が出るか、実家の扉を開けてのお楽しみですが、チャウドック市内には幸せ絶頂のおっさん達が勢い余って建ててしまった「チャウドック御殿」があちこちに点在。グーグルマップの衛星写真ではっきり目視できますので、お暇な方はどうぞ。

かつてはプノンペンから向かう場合、(外国人は)メコン川を下るボートしか交通手段がありませんでした。その後、陸路国境が開放され長距離バスが開通。乗り場はオリンピックスタジアム北側にあります。大人12ドル・所要6時間はいいとして、朝4時出発ってのが辛いところですが。

かつては「地獄の黙示録」そのまんまだったメコンデルタも、交通の便が良くなったことで急速に発展しています。プノンペン在住の起業家よ、次の休みはチャウドックで実家訪問……いや、視察などいかがでしょうか?
(文・本因坊)

プノンペン(04:00)→国境手続き→チャウドック(09:00)→ロンスエン(10:00)→カントー(12:00)

チャウドック行きバス乗り場

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チャウドック

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