法律 VS 呪い 悪の裁判官を懲らしめる呪術イベント開催

プノンペン北端のボンコック湖。先住民が追い払われ、埋め立ても終わり果てしない荒野が広がっています。

ボンコック湖開発に伴う住民の土地収奪問題で、悲劇のヒロインとなっているヨム・ボパーさん。湖のほとりで暮らしていた元住人であるボパーさんは、土地開発業者、開発を許可した政府に対したびたびデモ活動を行なっていましたが、その最中、バイタク二人に怪我を負わせた傷害犯として囚われ、禁錮三年の実刑判決を喰らってしまうのでした。

当然、彼女を支援する元住民は大反発──。

「怪我したバイタク、本当は土地開発業者が雇った抗議潰しのチンピラなのに!」
「お金持ちのためだけに法は存在するのか!」
「この国に正義はないのか!」

このような経緯で昨年末、元住民の群れが裁判所前に集結。ボパーさんに理不尽な刑を言い渡した裁判官を呪う儀式を敢行しました。その方法とは……。

1. 塩と赤唐辛子を叩きつける。
2. 鶏の生き血をバラ撒く。
3. 葬儀用のニセ100ドル札の束を燃やす。

といったもの。つまりは生きている人に対し、強制的に葬儀を行うという感じです。

“この裁判に関わった全ての検察官や裁判官を呪え! 奴らを永遠にこの世から消してしまえ!“

貧富の差がとっても激しいカンボジア。金持ちのために法が存在するのであれば、貧者に残されたのは呪詛の言葉のみ。

でもってカンボジア人は、呪いや迷信の類にからっきし弱い民族でもあります。呪われた裁判官はさぞや肝を潰したに違いありません。私もしかり、もしもこの儀式が自分に向けて行われたものなら真剣に帰国を検討します。

法律よりも薄気味悪い「公開呪い儀式」。これ、なんとなく流行る気がします。

はてさて「攻撃は最大の防御なり!」ってわけで、ボンコック湖立ち退き問題に絡むデモ隊に向け、警官隊がスタンガン機能のついた盾(シールド)で対応したこともニュースになっています。

問題の盾には正面に電極がついており、盾の前で押し合いへし合いする人に超高圧の電気ショックをお見舞いできます。さらには群衆を散らす用の120デシベル・高ピッチサイレンも付属。

「チチチ──という、スタンガンの音が聞こえた!」
「盾に触れた瞬間、自分は地面に倒れていた!」

デモ隊は怒り狂っておりますが、内務省高官は「仮にも国民に電気ショックなんて」──と含み笑い。真相は闇の中。問題の盾は台湾製で、製造元のサイトにはスタンガン、手錠、特殊警棒、催涙弾銃など、アキバの怪しい系グッズ店顔負けのラインナップが……。
(文・本因坊)

Land protestors curse court

Anti-Eviction Protesters Curse Judiciary

公開呪いイベント動画



“法律 VS 呪い 悪の裁判官を懲らしめる呪術イベント開催” への3件のフィードバック

  1. @M__Mukai より:

    『カンボジア 法律 VS 呪い 悪の裁判官を懲らしめる呪術イベント開催』http://t.co/3UAbHCTk

  2. @araeljp より:

    法律 VS 呪い 悪の裁判官を懲らしめる呪術イベント開催 http://t.co/ucAQdkCF 「公開呪い儀式」

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