男の食卓 : シハヌークビルで痛みかけたマグロを豪快調理
折角海に来たんだから、海の魚を思う存分食べたい。そんな私の願いを神が聞き入れたのでしょうか?
休暇でシハヌークビルを訪れたシックスサマナ記者・本因坊の元に、当地在住10数年の通称「仙人さん」から電話が……。
「来てるのか! 折角だからマグロの刺身を食わせてやるわい!」
早速訪問すると、全長30センチのマグロが台所にドーン。
早朝、市場に出向いて買っておいてくれたそうで、1キロ8000リエル。いつもある訳ではなく、ごくたまーに、カツオに混じってひっそり売られているそうだ。
「ひひひ、クマエはカツオとマグロの見分けもつかんからな」
ほくそ笑み、カツオと同じ値段でしれっと購入するそう。
まずは刺身にしようと、中華包丁で器用に捌き出す仙人の顔が曇ります。
「うーん。ちょっと鮮度が……やばいかもしれん」
早朝に買ったはいいものの、買ったマグロを小脇に抱えたまま、偶然出くわした知人と午前中いっぱい、カフェーで優雅に長話していたそうな……。
気温35度を超える暑季真っ盛り、ビニール袋の中で6時間も放置されていたマグロ──なんかいつも、賞味期限ギリギリの食材ばかり食わされているような気がするのは、錯覚でしょうか?
食品衛生上の事情もあって、刺身はやめて急遽マグロの七輪焼きとなりました。
テキパキ七輪を用意、炭に火をつける仙人。炭火を扇ぐ姿にも年季が入っています。網の上のマグロはポタポタ水滴を垂らしつつ、じっくり焼けてました。
台所では、同行した知人が一人こつこつカレーを作ってます。夏休みのキャンプ場みたいになってきました。
「さあ、どんどん食え!」
普段、マグロといえばスーパーに並ぶ赤身の刺身しか思い浮かばない自分にとって、姿焼きは生まれて初めて。お味の方は……ツナ、ツナです。パサパサ感がありましたが、それでもプノンペンではなかなか口にできない海のお魚。
マグロの身をカレーに放り込んだ豪華マグロカレーも美味しくいただき、仙人さん、ありがとうございました。
(文・本因坊)
シアヌークビルは丘の手前にいつも、賄賂狙いの警官がいて邪魔ですね。あれがいるのでシアヌークビルはだめなんですよ。