さいはてカフェ巡礼 : スタバの皮を被ったカンボジアン純喫茶
ウエッホーッ! 遂にスタバがカンボジア進出! と思ったら、やっぱり勘違いでした。何度目の勘違いだろう……
さあ、写真をご覧ください。見慣れた緑の縁取りに人魚のマーク……。違う! 何か違う! 人魚じゃなくてアプサラだよ!
ほい。カンボジアの国民的キャラ・アプサラさんを上手にフィーチャーしてますよね。眺めていると、これはこれでアリかな──と思えてくるから不思議です。デザイナーを褒めてあげた……いや、けしからん!
唐突ですが、ボンケンコンと並ぶ「お金持ちゾーン」として注目されている新しいエリアといえば、プノンペン北西、悪の親玉の秘密基地みたいな尋常じゃない豪邸の立ち並ぶトゥールコック地区です。
最近、あのボンケンコンを「プノンペンの青山」などと表現する方々がいらっしゃるようですが、正直申し上げて青山に失礼です。この場を借りて謝罪しておきます。しかし千歩譲ってこの例えを当てはめるなら、トゥールコックは田園調布といったところでしょうか。仮に私が火の鳥の生き血をすすってリーマン生活を五百年続けても建てられそうにない、超弩級の豪邸が軒を連ねております。
話を戻して、このスタバもどき。おしゃれなカフェを装ってはいますが、お察しの通りツメが甘い。カンボジアの土臭い雰囲気がほのかに漂っています。
看板で「カフェ」とうたっても、メニューには現地飯あり。カンボジア鍋あり。ついでにコーヒーとケーキもあるにはあるよ。みたいな感じです。
豚ご飯4ドル、米麺3.5ドルなど、ブービートラップ風の価格設定も気になります。それでもレクサス、レンジローバーなどで乗り付ける役人風のおっさんが多いのは、田園調布なので仕方ありません。
こうしたおっさん軍団を相手にするなら、おしゃれもほどほどにすべき。この微妙なさじ加減を熟知したやり手のオーナーに拍手を送るべきなのかもしれません。本家に訴えられる可能性もゼロではないところを含め、今後の展開が楽しみです。
(文・本因坊)
TERRACE CAFE
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