プノンペンのメータータクシー 呼ぶのがちょっと大変ですが──
じわじわですが見かける機会が増えてきたメータータクシー。プノンペンも変わってきました。
プノンペンをぬめぬめ走るメータータクシー。初乗り運賃は4000リエル(1ドル)。走行2キロから、1キロごとに400リエルずつ加算されるシステムです。これ、ルートによっては下手なトゥクトゥクより安く上がってしまいます。
エアコンヒヤヒヤ、埃や排気ガスを吸い込むこともなく、しごく快適な乗り物ですが、残念なことに台数が少なく、流しのメータータクシーを見つけるのは至難の業。大抵はタクシー会社に電話をかけて迎車を依頼しますが、人気のためかなりの待ち時間を要します。
配車センターのオペレーターが英語を話すかどうかは運次第。かつ、ある程度の土地勘がないと迎車場所を説明できないというジレンマも……。台数が増えることを祈るばかりです。
メータータクシーは現在二社が競合中。中国系のグローバルタクシー、そして韓国系のチョイスタクシー。
それぞれ自国製の車を使用していますが。しいて言えば、先行のグローバルタクシーは若干野暮ったい感じで、目の覚めるようなイエローのチョイスタクシーは、ワゴンタクシーも走らせ車体広告もびっしりの、どう見ても優勢です。
噂によると、チョイスタクシーの運営会社が市内巡回バスを走らせるライセンスを取得したとか……。未確認情報なのでここだけの話として、今、プノンペンに最も必要なのはタクシーよりもバスです。
過去、何度か試験的に市バスが導入されましたが、市民が馴染む前に大人の事情で廃止。タイの田舎町程度の規模なんだから、このさい乗り合いソンテウでもいいじゃないか。と思いますが、一国の首都というプライドもあり、汚らしい乗り物を走らせるのは許せないのかもしれません。
バスが走れば御の字ですが、こちらのメータータクシー導入時にも、過激なトゥクトゥク・バイタクドライバーが嫌がらせに投石したりといった暗いトラブルが発生。事は簡単に進まないのが現状です。
彼らの気持ちも分からなくもないですが、我々としては早いとこ、狭苦しい道が5.5リッターのばかでかい高級車(しかも運転マナー最悪)で埋め尽くされる、地獄のような交通事情を何とかしていただきたいものです。
(文・クーロン黒沢)
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