プノンペン場末のコンビニ事情 : そりゃ、人数が増えれば重くなるよね
金のないクメール若者の溜まり場スペースとして注目を集めている煤けコンビニ。想像を絶する世界。
犬も歩けばWiFiに当たる──といっても過言ではないプノンペン。何処も彼処もカフェとWiFi電波だらけ。地元系ガソリンスタンドも例外ではありません。大抵はカフェスペースとWiFiを完備した、薄暗いコンビニが併設されています。
金持ちクマエはボンケンコンの小洒落たカフェで一杯数ドルの激甘コーヒーを飲みつつ、糖尿病まっしぐらで高速ネットに勤しんでいます。しかし、煤けコンビニに集まる人達は皆、夢の世界とは無縁の重いストーリーを背負っているのです。
安い、涼しい、粘り放題! カマコー(肉体労働者)ボーイズ&ガールズが無印コーラやスティングなど激安清涼飲料片手に、死ぬ思いで購入したラップトップPCやスマホをいじくり倒す檜舞台。
つい先日、場末も場末のコンビニに入りました。ガソリンスタンド併設型のその店は、隅っこが飲食スペースとなっており、一応のところフリーWiFiを提供しております。そこに、ざっと数えて20人。これだけの人数が、こんな場末の極細回線でネットを楽しんでいるのです。
硬派なカマコーボーイズを気取る拙者も、エナジードリンク「スティング」を購入。レジでパスワードの記された紙切れをもらい。魔のアクセスポイントに接続しました。はい。もう遅すぎて遅すぎて、Yahooのトップページ開くのに一分とか、本当に世界と繋がっているのか疑わしくなるほどです。
皆さん、カンボジアのコンビニでネットに繋ごうなんて思っちゃいけません。彼らにとってかけがえのない帯域をこれ以上減らさないよう、私からもお願い申し上げます。
(文・木村五兵衛)