実録クマエのお仕事事情 : 働けど働けど、暮らしは楽にナラズ
拙者、ライフワークである場末取材中に涙ぐましい光景と遭遇。これが現実、それにしてもちょっとね。
プノンペンのとあるド貧困街──。そう、ここは貧困街に「ド」が付くほどの最底辺。
ステミンチェイ地区のドブ川にバラックを建て、てんで勝手に暮らす幻の集落。拙者、プノンペンの貧困街は大抵制覇しましたが、ここはダントツと言っても過言ではありません。そんなところです。
こちらの貧困街。地方から出てきた出稼ぎ家族、訳ありの若者、様々な人々が暮らしています。大人もいれば、子供もいます。子どもたちはNGOの運営する無料学校へ通い、年頃の女性たちは夕方になると厚化粧で夜の町に消えてゆきます。みな「貧乏」と言うキーワードでひとくくりにできる人達です。
残された人々は、ようやく見つけた縫製工場の下請け作業に没頭します。最低賃金もくそもない無法労働です。
工場から届いた縫いたてジーンズのほつれ糸を切るだけ──という簡単だけど気が狂いそうになる単調なお仕事。縫製工場に勤める女工さんの苦労話はこれまで何度かご紹介しましたが、さらにその下請けですから、どれほど辛い仕事かはご想像の通りです。
女たちは、日がな一日ほつれ糸を探しては切り取り続けます。処理が終わると、終わった印に赤い糸を括り付けます。
そんな、誰でもできる仕事で高賃金を貰えるほど世の中甘くはなく、二人がかりで三日間、切って切って切りまくって10ドル稼げるかどうか……だそうです。それでも、他に働き口のない彼女たちにとっては唯一の収入源。
拙者、このジーンズがどこに運ばれ、幾らで売られているか知っているか? と訊ねました。すると彼女ら、力ない目で、小さな声で答えました。
「別にどこで、幾らで売られようが興味ないわ……。生活かかってるんだから」
実のところ、彼女たちが作業中のジーンズは日本の某社がオーダーした日本向け製品。拙者、良いもの買って長持ちさせる主義なので、激安ジーンズの類には興味無かったのですが、こんなところで作業させてりゃ、そりゃ安くて当たり前ですよね。
「仕事、大変だろうけど身体に気をつけてね」
別れ際にそう告げると、
「あなたも気をつけて帰りなさい」
優しく声をかけられました。
(文・木村五兵衛)
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毎回読ませてもらっております。いろいろカンボジアの事情が知れて本当に感謝しています。今回は、タヤマ実践カレッジに行きますし、愛センターにも行きます。ok19zou.namjai.ccでブログが見れます。お元気でがんばってください。
私は7月30日にプノンペンに行きます。前回、カンボジア、愛センターに行ってきました。今度はど貧困の町に行きますです。5回目のカンボジア行きです。移住も考えています。「タイで老後を送ると決めた男の記録」というブログをかいていますが、、砂金はカンボジアに興味深々で巣。現地でお会いできるよう願っております。、、敬具