PP隣の昼ごはん : 高級フォーで暑さ忘れる | PHO24
ベトナム伝来のフォーチェーン「PHO24」がプノンペンの超一等地に開店してもう数年。低迷の原因を探る!
知らない人はあまりいないと思いますが、フォー(phở)とはベトナムを代表する国民食。米粉のきしめんをあっさりスープにぶち込み、鶏肉や牛肉スライス、肉団子などをのせ、客の好みでもやし等の薬味と食べる「とにかくあっさり麺」。
日本で言うところのかけうどん。これをメインに世界全90店舗。日本でも市ヶ谷、池袋東口、大森というどれも微妙に冴えない土地で三店舗展開中のベトナムフォー屋さん「PHO24」。プノンペンに開店したのは何年前か? はっきり覚えていない……それだけ印象の薄い店です。
すぐ近くに、連日行列が出来るほど大繁盛の7.5ドル食べ放題店「シャブスキ」がありますが、PHO24は基本的にいつも静か。駅前のさびれた蕎麦屋みたいな雰囲気を醸しだしています。私も滅多に利用しませんが、今回、低迷の原因を探るべく超久々に訪問しました。
エアコンの効いた広々とした店内。さすがにお昼時だったので四組ほどの先客がいます。それでも四組……。メニューを見ます。一番安いベーシックなフォーが3.2ドル。はい。いきなりで申し訳ありませんが、全ての原因はこの値段ですかね、数十メートルも歩けば1ドルちょいで同じもの食べられますから。
もちろんプラス2ドルちょっとの付加価値はあります。英語メニュー、制服姿の小ざっぱりした店員、むろん鼻くそはほじりませんし、店内は涼しく、喰いカスは落ちていません。でも所詮そんなところです。
先日、ハノイのPHO24を訪れました。地元民も数名見かけたものの、外国人率が七割といったところでした。ハノイのPHO24はプノンペンのそれより貧乏臭く、カウンターを中心に一人喰い席が多くとってあり、日本の牛丼屋っぽい庶民的なテーブル配置でした。あれと比べ、プノンペン店の中途半端さは何とも。それでも、得体の知れない薬味でお腹を壊したくない、涼いところで食べたい。これらは文明人として当然の欲求ですから、選択肢のひとつとして潰れてほしくない店ではあります。ただ、周りの店の繁盛ぶりがうそのように、いつもここだけ真空状態なのは見ていていたたまれません。
(文・クーロン黒沢)
PHO24
6:45AM – 10PM
016 281 855
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