健康を金で買う : 排気ガスに苦しむ皆さんに朗報です
日本で放射能吸って死ぬか、プノンペンの粉塵吸って死ぬか。あなたはどっち?
福島の原発事故から半年あまり。放射能の恐怖から逃れるべく、私は遥かプノンペンで暮らしています。なのに神は我を見捨て給うたか!
ひどくなる一方の交通渋滞。信号待ちのバイクからモウモウと立ち上る白煙。そして、雷雲めいた黒煙を吐きつつ市内を爆走する大型トラック。かと思えば至る所で道路工事・建築工事。ガタガタの道路では絶えず土煙が渦を巻いています。
プノンペンに来た外国人の多くはあまりの空気の汚さに、最初の1、2週間で必ず喉を痛めると言われています。そのまま体調を崩して動けなくなる人も珍しくありません。
現地人でも喉の弱い人は当然辛いわけで、当地ではバイクを運転するさい、1枚200リエルの不織布マスクをつける人が急増中。でもこれ、非常にチャチな上、横なんかスカスカ。悪い空気が隙間からヒューヒュー入って、健康に役だっている感が全然しません。
もっと機能的なマスクが欲しい……。そんなとき、場末の作業服ショップでおあつらえ向きの商品をゲットしました。工事現場のおっさん愛用の立体マスクです。
何はさておき、まずはマスクの注意書きに感動。
“Misuse may result in sickness or Death”
日本語に訳すと、
“間違った使い方をした場合、病気になるか死にます”
となる。そういえば高校生の頃「Mayは可能性を表す助動詞で、50%前後の確率を意味する」そんなことを習った記憶が……。
製造元の「ドレーゲル」がどんな会社か調べてみたところ、科学防護服、毒ガス用マスク等が専門の大手メーカーだそうです。それはさておき、男って、ガスマスクの写真を見ると、何故にテンションが上がってしまうのでしょうか?
私が買ったのは、1個1.8ドルのベーシックタイプ。二本のゴム紐で顔と固定するシステムです。ホールド感は申し分なし。鼻の形に合わせて形状を変えることもできて、息漏れを防止。まさに探していた一品でした。
早速、立体マスクを装着して市内を試走。土埃はもちろんシャットアウト。黒煙をぶちまけるトラックに追い越されても、笑顔で手を振ってしまう度量の広い私を再発見。(排気ガスの有害成分までは除去できません)
現地人から「なんだこいつ?土木作業員か?」とチラ見されるのには閉口しましたが……。
お店はオリンピック競技場の西側、Tシャツのプリント屋が並ぶ一角にあります。ガソリンスタンドの給油ハンドルを利用したドアノブが微妙におしゃれ。女性マネージャーが日本語を話せるのでコミュニケーションも安心。マスクだけではなく、ガテン系の備品をお探しの方、一度訪ねてみては?
(文・本因坊)
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