車神・首都高速2003
外は大雨……。瞑想していると、昼ごろにB君から電話。市内の日本食レストランで飯食ってるから来ないかという……ので行った。うちの近所は世界の終わりみたいな豪雨だったが、目指す店の周りは晴れていた。
のれんをくぐると、休日だけに客はいない。がらんとした店内を見回すと、端っこのほうでテーブルに突っ伏して寝ている男がいる。B君だった。
B君の前にはお銚子が二本。まだ23歳だというのに、リストラされた中間管理職のような哀愁を漂わせている。そばに行って揺り起こすと、慌てたB君は空のお銚子を二本ともひっくり返し、片方を割ってしまった。ますます惨めな日曜の朝。
B君の行く末を案じながら飯を食った後、解散してVCDを探しに出かけた。欲しかったのはマイケル・ホイの「合家歡(ミスター・ココナッツ)」である。しかし、こんな古くてマイナーな作品を常備してる店は無く(もっとマイナーな作品はあった)、ついつい「車神・首都高速2003」という日本映画(香港バージョン)に目が行ってしまう。
パッケージはフルCG。そこに「感受燃焼的一刻。激走!首都高速13.9公里」という力強いコピー。さらにR34GT-Rの疾走フォトが。で、衝動買い。2ドル也。
胸躍らせながら帰って再生してみると、画面に現れたのは何処かで見たことがあるけれど、印象と少し違う男。一時停止にして五分凝視して15年前くらいの大鶴義丹と判明。15年前のスポーツカーと15年前のパトカーがカーチェイス!。調べたら1988年公開のB級映画と判明。また騙された。
(文・クーロン黒沢)