血生臭い噂が先行する謎の格闘技大会 観戦してきた!
古代アンコール王朝から密かに伝承されてきたカンボジア最強の総合格闘技 “Yuttakun Khorm (ユッタクン・コーム)” をご存知ですか?
死ぬほど少ない情報によれば、パンチ・蹴りはもちろん、肘・膝・指攻撃もオーケー。敵の降伏、もしくは死をもって決着をつける──という、実戦重視の地獄めいた総合格闘技……。
そんな、血生臭い噂の漂う格闘技大会が、11月16日、プノンペン・Beelineスタジアムにて開催されました。本当は先月やるはずだったのですが、元国王逝去など、色々な大人の事情で大分日延べの開催です。
プノンペンでは珍しい総合格闘技のビッグ・イベント。入場料は激安の1ドルぽっきり。会場は大盛況かと思いきや、収容人数1500名あまりの会場に300名ほどの入り。結構スカスカ……。ま、これまで世俗を離れ、密かに伝承されてきた幻の格闘技。知らなくて当然ですよね。
特に今回は日延べ開催ということで、前売りするはずの場所でも「知らない」「わからない」の連続で、開始時間すら定かじゃないまま、ネットの情報だけを頼りに直接会場に乗り込んだ我々取材班でした。
当日組まれたのは6試合。流血・KOの連続か? 期待していたのですが、闘いは至って地味な感じ。流石に中盤以降の三試合は流血ありの見応えもありましたが、前半はかなりしょっぱい残念な内容でした。
大会のオオトリは、現地総合格闘技ジム “K-1 factory” で鍛錬を積むプノンペン育ちの白人選手パーサス! 頭に巻いたクロマーがトレードマーク。シエムリアップ出身のカンボジア人王者の対決。近代総合格闘技と古代暗殺拳のガチンコ対決です。
第一ラウンドから激しい打ち合い。肘打ちが白人の顔面にボコボコ決まります。こ、これは期待できる……と思った矢先、第二ラウンド開始早々、様子見を終えた白人の反撃がこれまたバコバコに決まり、暗殺拳の使い手が戦意喪失。審判から注意を受ける始末。直後のKOで客席が呆然とするなか、勝負が決まってしまいました。
観客も観客で、KOが決まった瞬間サッと席を立ち、無言で一斉に出口へ向かいます。タイの安い映画館がまさにそうですが、余韻もへったくれもありません。表彰もマイクアピールもなく、スタッフは黙々と会場施設の解体を始め、いつの間にか終わってしまいました。
カンボジア人的にはまさに屈辱の展開。この敗戦を受け、Yuttakun Khorm は今後三年間地下に潜り、人々の脳裏から忘れられてしまう可能性がないとは言い切れませんが、調べてみるとほぼ隔月ペースで開催するようなので、次回に期待しましょう。
(文・本因坊:撮影・木村五衛兵)
Beeline Arena
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