カンボジアのヤフオクもどきは魑魅魍魎の怪世界
ネット通販。ここカンボジアにも「それらしき」ものはありますが、夢の実現にはあと10年かかりそうです。
大切なことなので繰り返しますが、日本じゃ何でもネットで買うのが当たり前。安いし簡単だし、配送までしてくれますからね。
ここカンボジアにもネット通販らしきサイトは存在しますが、実際に利用したというカンボジア人に感想を訊くと「ネットで商品を選んで、品物は店まで取りに行くの……」などと、トンチンカンな答えに絶句させられます。そう、カンボジアには未だ、ちゃんと仕事をしてくれる宅配便業者が存在しないのです。
こんな状況なので盛り上がりようがありません。そのかわり、ネットを利用した個人間の「売ります・買います」は非常に活発です。
我々が確認できた代表的なクメール個人売買サイトは四つほど。中には “eBay Cambodia” などという凶悪な名前のついたサイトもありますが、作りはどれも似たり寄ったり、ほぼ英語でやりとりされています。ざっと見たところ、出品者は業者9割・個人1割といったところでしょうか。個人的には “iknow.com” が見やすい気がします。
何を買うにも値札なし、ガメつい店主との交渉が必須のプノンペン。慣れない買い物をするときは、こうしたサイトで実勢価格を下調べしておくといいかもしれません。
気になる商品があれば、メッセージ等まだるっこしいことは一気に飛び越し、いきなり出品者の電話番号を直接呼び出すのが基本です。その後、喫茶店などで顔を突き合わせてのお話し合い。
知人のひとりもこうしたローカルサイトで自動車を購入しています。出品者は年内にアメリカへ移住するカンボジア人。引越しが迫り焦っていたせいか、店頭相場の約二割引で購入できたそうです。
感化された私もノートPCを物色。お安い掘り出し物を発見しましたが、出品者の住所がタイ国境近くの田舎町。何だか森に埋められそうな予感がしたので、後ろ髪を惹かれつつ、忘れることにしました。
(文・本因坊)