国際通り近くのパーキングに車を停め、向かった先は那覇の台所。国際通りからごちゃごちゃした小さな土産物屋が密集する「市場本通り」アーケードに入り、しばらく歩くと「公設市場入口」という案内が見える。
このあたり、毛細血管のような細い路地が折り重なり、路上の小さなテープルで、真っ昼間から一杯ひっかけている人も多数。独特のまったりとした空気が流れている。

一角にそびえる「牧志公設市場」は1951年開設。現在の建物は1972年に建て替えられたものだが、それからすでに半世紀近くが経過。まさに「昭和遺跡」と呼びたくなる、70年代むき出しの煤けっぷり。市場内は魚介・肉類をはじめとする約200店近くの食料品店がぎっしり。寂れかけた時代もあったが、近頃では那覇を代表する観光スポットとして完全復活。外国人を含む観光客で大賑わいを見せている。
というわけで、南国系のカラフルな魚がドバッと並んだ鮮魚店は一見の価値あり。お土産に喜ばれそうな乾物や漬物、ウミヘビなんかも売られているが、この市場の売りは売るだけじゃないところ。市場二階には屋台形式の食堂が集まっていて、一部の店では一階の市場スペースで買った食材を、一人前500円(通常3品)程度の手数料で調理してもらえる。

通常メニューもあるが、ここの魅力は沖縄料理の充実っぷり。定番料理の以外にも、ウミヘビ汁、山羊汁など。あっち系メニューもさりげなく食べられて見逃せない。
そんな「牧志公設市場」。半世紀分の雨風を凌いだ建物は老朽化でヨレヨレ。それ自体がこの市場の味でもあるが、紆余曲折の末、建て替えが決定した。現在の市場は2019年中に取り壊され、新しい市場は2022年完成の予定。それまでの期間は近くの「にぎわい広場」に仮設店舗が設置される。
沖縄メシなら、公設市場のすぐ近くにあるコスパ最強の沖縄食堂「花笠食堂」もオススメ。「花笠食堂」の裏には水神を祀った拝所もあるので、パワスポ好きは立ち寄っておこう。そして今回最後にご紹介するのは、やはり公設市場近くの路地裏にある、知る人ぞ知る、珍スポ好きには有名な謎の店。「金玉判断」である。


言わずもかなだが、こちらはタマタマをどうこうするのでは決してなく、金城さんというユタ(沖縄のシャーマン)が運営する占い処。
沖縄人にとって、ユタは「占い師」であると同時に、身近なカウンセラーでもある。料金は1時間3000円の明朗会計。インパクト抜群の看板を掲げながらも、十中八九、普段は誰もいないことでも有名なこちらのお店。残念ながらこの日も無人。店主と会うには電話予約が必須のようだ。
那覇市第一牧志公設市場
沖縄県那覇市松尾2-10-1
営業時間:8:00~20:00(第4日曜日は定休)
098-867-6560
