おしゃれ泥棒木村 プノンペンのバーゲン地獄に死す

おしゃれの基本は足元から、お洒落泥棒こと木村五兵衛が女性靴のバーゲンに突撃しました。

シハヌーク通り沿いのマレーシア系婦人靴専門店「VNC」。オープンして久しく、目抜き通りでがんばっているお店です。最近の小洒落たプノンペン女子の足元を一手に支えていると申し上げても過言ではありません。

今回、全商品20%~50%引きという商品入れ替え在庫一斉セールにお邪魔しました。そこはまさに女の戦場。凄まじい勢いで散らかる店内、一体何が、何があったのでしょう?

次から次へ入店する女性客が棚の靴を片っ端から試着。気に入らないと感じた瞬間、約二秒でそのへんに放り投げ、次の靴をひったくり……。この作業が延々続くのです。

店員たちの目は放置二日目の鰯といった感じで、忙しすぎて片付ける暇もなく、店は刻一刻と荒れ果ててゆきます。ああ、素晴らしい光景。じゃなかった凄まじい光景。もうちょっと何とかならんのか。

商品はパッと見プサーの安サンダルと変わりませんが。靴底の接着に使う糊が違います糊が! それにどこにもアングリーバードが描いてありません。この国でアングリーバードを描かなくても売れる。これは凄い事です。

一足20ドル〜40ドル。パパにおねだりしなくても何とか買える値段設定。客層も、お金持ちという感じではありませんでした、だから多分この状態なんだろうけど。
(文・木村五兵衛)


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